元JRAオープン馬が学習院大学に! 競馬と学生馬術を繋ぐ“ペルくん”第二の馬生とは

2025年06月16日 17:45

学習院大学馬術部で活躍するペルセウスシチー(c)netkeiba

 昨今、競走馬を取り巻くテーマとして注目を集める“第二の馬生”。都心の一角で、元JRAオープン馬が大学の馬術部で活躍する例がある。今回はペルセウスシチー号を繋養する学習院大学輔仁会馬術部にて、主将の鈴木遥大(すずきはると)さんを中心に話を聞いた。(取材・文=netkeiba編集部)

 ペルセウスシチーは父トゥザワールド、母ローレルオードリー、母父コマンダーインチーフという血統。2019年冬にデビューし、翌年ダートに転向した。その後は中距離を中心に勝ち上がり、22年春に鈴鹿S(3勝クラス)を制してOP入り。この一戦には後のGI馬ペプチドナイルや、佐賀記念を制すメイショウフンジンも出走していた。現役を退いた後は「TCC 引退競走馬ファンクラブ」の所有馬 TCCホースに仲間入りをし、「ホースシェルター®︎」での療養を経て、同部への預託が決定した。

 学習院大学輔仁会馬術部とは、学習院大学・女子大学・高等科の合同馬術部を指す。1879年に発足し、OBには上皇陛下も名を連ねるなど146年の歴史を誇る。3年連続全日本馬術大会で団体3位の実績だが、部員の約8割は未経験からのスタート。方針として「馬術をなるべく知ってもらえるよう、未経験の方でも乗って大会を目指せる雰囲気作りを大切にしています」と語った。

 部内では“ペル”という愛称で親しまれるペルセウスシチー。馬場馬術の適性を伺うと、「ポテンシャルをすごく感じます」と高評価。性格は賢く、初対面の人には大人しく愛嬌があるが、担当者など慣れた相手には元気な一面を出すことも。馬術界では若い8歳という年齢ながら、経験の浅い新入部員を乗せる場面も見られ、チームの一員としての役目をしっかり果たしていた。

 馬術の競技会に参加するだけでなく、同馬にはTCC会員向けのふれあいイベントや、会員限定のふれあいサービスのお仕事も。ファンから生牧草バンクを通じて食べ物が送られることもあるそうで、「嬉しい、とてもありがたいです」と話した。また、頭絡には同じく贈り物だというお守りも付いており、改めてファンにも部員にも愛されていることが感じられた瞬間だった。

 JRAオープン馬という実績だけでなく、競馬と学生馬術という二つの業界を繋ぐ存在として活躍を見せるペルセウスシチー。元競走馬に関する課題が注目を集める今、同馬のように第二のキャリアで奮闘する馬も応援しつつ、馬と真摯に向き合い鍛錬を積む学生たちの活躍も熱いまなざしを送りたい。

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