馬群を割って抜け出るキープカルム(中央)=撮影・石湯恒介
「しらさぎS・G3」(22日、阪神)
記念すべき第1回を制したのは、5番人気の
キープカルムだった。後方待機から最後の直線で内の狭い所を抜け出し、待望の重賞初制覇。中竹和也調教師(60)=栗東=は今年の重賞初勝利を飾り、もう一頭の管理馬で14番人気だった
コレペティトールも3着に入った。1番人気に支持された昨年の2冠牝馬
チェルヴィニアは2着に敗れ、2番人気の
レーベンスティールは7着に終わった。
マイル王へと続く新設重賞。歴史に名を刻む記念の『第1回』を
キープカルムが制した。
直線は狭い馬の間を割って一気に先頭へ。道中を中団のインでため込んだ分、手応え通りにはじける人馬。G1馬の猛追を振り切った坂井は「手応えも良かったですし、あとは進路を見つけるだけ。少し、狭い所を強引な感じになったけど、馬のおかげで勝つことができました」と心地よさそうに汗をぬぐった。米子Sが名称変更し、重賞に昇格。その初年度を制し、「いつもお世話になっているノースヒルズの前田オーナーの馬で、この記念すべき第1回を勝ててすごくうれしいです」と声を弾ませた。
追い切り騎乗で出来の良さを感じ取っていた柴田助手も破顔一笑。「スタートも心配していたよりも出て、直線も結構狭い所に入っていけたので。いい伸びしましたね。状態が良さそうだったので結果が出て良かったです」。マイル転向後、8戦目で重賞初制覇を果たし「最近はどっしりとできるようになった。カイバも残さず食べるようになって、体と心とが、いい感じに成長しているんだと思います」と本格化した姿に目を細めた。
前身の米子S勝ち馬は21年(
ロータスランド)から4年連続でサマーマイルシリーズのチャンピオンに輝いている。次走は未定だが、シリーズ初戦を勝利し、いち早く10ポイントをゲット。坂井も「操縦性もいいですし、反応もいいし、全然言うことがないぐらい。この先も重賞で頑張ってくれると思います」と胸を張る。狙うは夏の王者か、それとも秋のG1か-。仁川で放った一撃に夢が広がった。