「さきたま杯・Jpn1」(25日、浦和)
1番人気の
シャマルが堂々たる逃げっぷりで5馬身差V。前走のかしわ記念に続くJpn1連続制覇。しかも26年ぶりのコースレコードで
スピードの違いを見せつけた。2着は7番人気だった船橋の
ムエックスが奮闘。3番人気の
エンペラーワケアが3着。今年のフェブラリーSの覇者で、2番人気の
コスタノヴァは大きく出遅れて見せ場なく11着に敗れた。
午前中からの激しい雨こそ上がったが、水の浮く不良馬場の中を
シャマルがスイスイと駆け抜けた。
外から
アウストロが行きかけたが、これを内から制して主導権。
ティントレットも加わった3頭雁行の厳しい流れになったが、3角手前で2頭を振り切ると勝負あり。あとは徐々に差を広げるばかり。直線は鞍上の右ステッキに応えて歴史的な勝利を締めくくった。
勝利の瞬間、ド派手なアクションで喜びを全開させた川須は「たくさんの支持をもらっていたし負けられないと思っていました。ゴール板を駆け抜けた時は最高でした」と声を弾ませてスタンドからの“カワス・コール”に何度も何度も頭を下げた。
昨年のかしわ記念で、人馬そろってJpn1初制覇を達成した最愛のパートナーに「結構なペースだったけど、
シャマルと息を合わせることだけを考えて。(最後は)後続の蹄音も聞こえなかったし、ゴールした時は感情が爆発しました」と満面の笑みで「どんな時も一生懸命走ってくれる。きょうも素晴らしい走りでした」とJpn1・3勝目をたたえた。
同じく1番人気で臨んだ一昨年は競走中止のアク
シデントもあった。昨年からJpn1に昇格した一戦を4度目の挑戦で制し、松下師も「行き切ってくれた。それが勝因ですね。レコード?狙ってました」とほほ笑んだ。春の最大目標だった、かしわ記念連覇↓さきたま杯Vを成し遂げ、これでひと休み。秋はJBCス
プリント(11月3日・船橋)を大目標とするが、その前に南部杯(10月13日・盛岡)か、コリアス
プリント(9月7日・ソウル)も視野に。今がまさに充実の時。ダート界の韋駄天(いだてん)はしばしの充電を経て、さらなる進化を求めていく。