22年のクラシックをともに戦った同世代の
イクイノックスと
ドウデュース。24年に種牡馬入りし、先日顕彰馬に選出された
イクイノックスの産駒は、早くも来る25年当歳セレクトセール(7月15日・北海道苫小牧市ノーザンホースパーク)に上場される。一方の
ドウデュースは昨年末に現役を引退し、今春が種牡馬デビュー。産駒は早ければ来春にも誕生予定だ。2世同士もラ
イバルとなるのか-。種牡馬としての2頭やその産駒への期待を、北海道安平町の社台スタリオン
ステーション・徳武英介場長に直撃した。
はちきれんばかりに筋骨隆々の馬体。平然と上がり3F32秒台を記録してしまう傑出した豪脚。「これこそが
ドウデュースだ」と、全ての人々を納得させてしまう異次元の“強さ”を幾度となく目の当たりにしてきた。そして物語は第2フェーズへと進んでいく。
種牡馬としての新しい馬生を歩み始めた
ドウデュース。引退から約半年。全く衰えることのないすさまじい迫力をまとった姿があった。徳武場長は「本当にエネルギッシュな馬です。やっぱりハーツクライを経由しているからですかね。
コントレイルやディープとは違い、いかにも男馬って感じでたけだけしいです」と笑みを浮かべる。
初年度の種付け料は、史上4位となる1000万円※。「こちらに来た時は疲れがありましたし、一度疲れを取ることに専念しました」と、状態を見ながらゆっくり立ち上げられたようだ。「一日3頭の種付けを行っています。まだ慣れていくことは必要ですが、体力がすごくあります。なかなか疲れることがありません」と、そのタフさには徳武場長も驚きの表情を浮かべていた。10日の取材時点では既に150頭以上の種付けが完了しており、着々と任務をこなしているようだ。
母である米国産馬の
ダストアンドダイヤモンズには、シアトルスルーやゴーンウ
エストといった、まさに米国的な“
スピード”に特化した血が注入されており、産駒もダート1200〜1800メートルくらいを主戦場とする馬が多かった。ただ、ハーツクライの血が配合された
ドウデュースは、血統の壁をものともせず22年ダービーを制覇。2歳から5歳まで4年連続G1制覇という、牡馬ではJRA史上初の偉業を達成した。さらにG1を制した5戦中4戦が2000メートル以上の距離という点も驚くべきポイントと言える。
数々の名馬を目にしてきた徳武場長も「普通じゃできないことだからね。身体能力は相当高いと思います」と感嘆の言葉を漏らす。「母系がス
プリント血統だから、この馬自身もお尻が高くて背中も短い。エネルギッシュな子が生まれるんじゃないかな。期待しています」。競馬界を熱くさせた英雄が、これからの世代にどのような影響をもたらすのか-。期待は高まるばかりだ。(デイリースポーツ・小田穂乃実)
※初年度の種付け料は
イクイノックスの2000万円が最高。2位タイがディープインパクトと
コントレイルの1200万円で、
ドウデュースはそれに続く高額となっている。