【函館記念】須貝調教師発掘の"原石"ヴェローチェエラが重賞初制覇 88年サッカーボーイのコースレコード37年ぶり更新 

2025年06月30日 06:00

37年ぶりのコースレコードで函館記念を制したヴェローチェエラ(カメラ・高橋 由二)

◆第61回函館記念・G3(6月29日、函館競馬場・芝2000メートル、良)

 サマー2000シリーズ第1戦、第61回函館記念・G3は29日、函館競馬場で行われ、10番人気のヴェローチェエラ(佐々木)が、1分57秒6のコースレコードで重賞初制覇。88年サッカーボーイの記録を37年ぶりに更新した。

 開幕週から多くのレコードが飛び出す函館で、またしても驚きの記録が生まれた。1番人気が6・5倍をつける大混戦を制して、ヴェローチェエラがゴール板を駆け抜けると、掲示板には1分57秒6のレコードが表示された。88年にサッカーボーイが同じ函館記念でマークした1分57秒8を0秒2短縮。現在、使われているJRAの芝コースでは“最古のレコード”(※)を更新した。

 全てが想像以上だった。道中はアウスヴァールが刻む58秒1の締まった流れ。佐々木が「まだ緩さが残る」と評すように万全の状態ではなかったが、それを感じさせないうなるような手応えで勝負どころの4コーナーで一気にスパート。直線で早めに先頭に立つと、懸命に追う鞍上の気合に応えて後続の追撃を許さず、2着ハヤテノフクノスケに1馬身半差をつけた。「馬の力でよく頑張ってくれた。もっと良くなってくれば」と引き揚げてきた佐々木は馬上で何度もガッツポーズ。うれしい誤算に喜びを爆発させた。

 鞍上は一昨年に函館リーディングを獲得してブレイク。昨年は函館2歳S(サトノカルナバル)で重賞初制覇と函館は縁のある競馬場だったが、函館記念前までは現地で3勝と苦しんでいた。「先週、今週と結果を出せていなかったので、ホッとしました。自分の中では流れのいい競馬場で、もう一つ重賞を勝てたのはうれしい。後半の開催も頑張りたい」。ここからの巻き返しを誓った。

 昨年末に3連勝でオープン入りし、今年はG2・2戦も経験。良化の余地を残す状態での重賞初制覇に須貝調教師も自信を深めた。「これで勝ってくれたのはありがたい。もう一段階、上に行ける馬だと思う」。次走は一度、放牧に出して札幌記念(8月17日、札幌)に向かう予定。指揮官自らがセレクトセール当歳で見つけ出した原石は、今後さらに輝きを増していく。(浅子 祐貴)

 ヴェローチェエラ 父リアルスティール、母イプスウィッチ(デインヒルダンサー)。栗東・須貝尚介厩舎所属の牡4歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算11戦5勝。総獲得賞金は1億2733万9000円。重賞初勝利。馬主は合同会社TO RACING。

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