◆第60回北九州記念・G3(7月6日、小倉競馬場・芝1200メートル)
葵S2着の
クラスペディア(牡3歳、栗東・河嶋宏樹厩舎、父
ミスターメロディ)が重賞初制覇のチャンスだ。5戦ぶりに1200メートルに距離を戻した前走は、外枠から積極的に出して行っても折り合いがついていた。以前は併せ馬でハミをかむなど、乗り難しいところがあったが、操縦性の面がかなり成長している印象だ。結果的に差し決着だったが、ハイペースを逃げてゴール寸前まで粘っており、負けて強しの内容だと言えるだろう。
6月25日の1週前追い切りは、栗東・CWコースで6ハロン77秒8ー11秒8の好時計をマーク。自己ベストを更新し、状態はかなり良さそうだ。騎乗した主戦の小崎綾也騎手は「3、4コーナーの行きっぷりはかなり良かった。手前を替えにくい馬で、もたれる面があるのでそこは懸念材料だったが、今日は直線でスムーズに手前を替えてくれていた」と好感触を得ており、一度使っての上積みは大きい。
開幕2週目で、良馬場ならかなり時計の速い決着が予想されるが、「
スピードのある馬なので対応してくれると思う」と鞍上。前走のレース内容からも直線が短く前半のラップが早くなりやすい小倉は合いそう。2歳時には0勝馬として、
グレード制導入後初めてG1に出走した個性派が、ここで初タイトルをつかむ。(山本 理貴)