ダイワレイダース(写真はアメジストS、撮影:下野雄規)
かつての七夕賞は東北記念時代含め「1番人気が勝てないレース」と言われた。今回は78年の
カミノハヤブサ以来、27年ぶりに1番人気の勝利を果たした05年のダイワレイダースの走りを振り返る。
ハンデ戦ということを考慮しても、七夕賞は1番人気に受難のレースだった。とりわけ84年の
グレード制導入後は不振だったが、その流れに終止符を打ったのが05年のダイワレイダースだった。
社台
ファーム生産のサンデーサイレンス産駒。近親には86年の皐月賞馬のダイナコスモス、05年のAJCCを制した
クラフトワークなどがいる血統馬だった。度重なる長期休養で出世が遅れたが、6歳を迎えて本格化。2月のアメジストSを制してオープン入りを決めると、続く
エプソムCでも
スズノマーチからクビ+クビ差の3着に健闘。そして迎えた一戦が七夕賞だった。道中は中団の後ろ寄りを追走。勝負所で馬群の内目から差を詰めると、4角で先頭に並びかける。直線に向くと外の
トーセンダンディとの一騎打ちとなったが、これを3/4馬身凌いでゴール。6歳にして重賞ウイナーの仲間入りを果たしたのだった。
これが78年の
カミノハヤブサ以来でレース史上5頭目、そして
グレード制導入後では初めてとなる1番人気の戴冠だった。その後は2戦して未勝利に終わったダイワレイダースだが、真夏の福島で見せた走りは、多くのファンの記憶に残っているに違いない。