JRA通算4600勝を達成した武豊(中央)と騎手仲間たち
9日の札幌8Rを1番人気の
ナリタヒカリで制した武豊騎手(56)=栗東・フリー=が、史上初となるJRA通算4600勝を達成した。序盤は5、6番手で折り合い重視。勢い良く3番手で4角をパスすると、直線ではきっちり前の2頭をとらえた。ファンからは重賞のような拍手と大歓声。夏競馬が始まってから名手の勢いは止まることなく、
メイショウタバルで制した宝塚記念の週から9週連続勝利での大台到達だった。
武豊は「40年近く乗っていますけど、気がついたらと言うか、アッと言う間という気持ちが強いです。周りの人たちのおかげだと思います。きょう絶対しなきゃと思っていました。池添くんからもプレッシャーを掛けられていたのでホッとしました」と、祝福のプラカードを持つことが多い後輩からの“エール”に応えて胸をなで下ろす。昨年5月12日の東京2R(
ウェットシーズン)で達成した4500勝から、約1年3カ月ぶりとなる節目のV。「いい馬にもたくさん乗せてもらいましたし、中身の濃いレースもありましたし、いい100勝だと思います。これからの方が大事なので頑張りたいです」と気持ちを新たにした。
「一つ勝つのも大変ですからね。1勝を目指して仕事をしているので、本当に重みを感じる数字です。皆さんからきょう達成してほしいと言われていて、ルメールさんが来ているのでなかなか勝てませんでしたが、(このレースは)乗ってなくて良かったです(笑)。初日から多くのお客さんが来てもらって励みになりますし、今年もいい夏にしたいと思います。札幌後半も頑張りたいです。もっともっと勝利を重ねていきたいと思います」と力強く決意を語った。
武豊は1969年3月15日、京都府生まれ。87年に騎手デビューを飾ると、新人最多勝記録(当時)となる69勝を挙げ同年のJRA賞最多勝利新人騎手を獲得した。JRA重賞366勝(8月9日現在)、うち同G1は84勝。日本競馬界の記録を次々と更新して「天才」と称される。日本騎手クラブ会長も歴任。父は騎手、調教師だった邦彦氏(故人)、弟の幸四郎氏は元騎手で現在は調教師。妻は元
タレントの佐野(旧姓)量子さん。身長170・0センチ、体重51キロ、血液型O。