「ゴールドジュニア・S3」(4日、大井)
単勝1・1倍。断然のプレッシャーを感じながらデビュー8年目の吉井章が、3連勝を決めた1番人気の
ゴーバディとともに待望の重賞初制覇。2着に逃げた3番人気のドキドキが粘り、上位2頭が「第58回ハイセイコー記念・S1」(11月12日・大井)への優先出走権をゲット。3着に2番人気の
チリンドリベントが入った。
3番手のインで折り合った
ゴーバディと吉井章。6頭立てだけに流れはスロー。先行2騎もなかなかバテない。外に持ち出してこん身の左ステッキで前を追うと、ラスト50メートルあたりで逃げ粘るドキドキをねじ伏せ、最後は1馬身1/4差をつけた。左手の遠慮がちの
ガッツポーズが初々しかった。
「プレッシャーもあったので、まずはうれしいのとホッとしています」と素直な感想。父も大井で騎手会長を務めた現調教師。競馬が好きでこの世界を選んだが、当初は反対された。それを押し切って、待望のお立ち台だ。「馬が強いので、それを信じて、人間が気負わずに乗りました」と改心の笑顔。「将来性しかないです。
ゴーバディと(自分も)成長していきたい」とファンへもアピールだ。
昨年死亡した父
マテラスカイは3世代しかこの世に残せずだが、初年度から重賞ウイナーを輩出した。的場直師にとっては4年半ぶりの美酒。「内で砂をかぶって苦しい展開だったけど、いい脚を使ってくれて着差以上の強さ」とうれしそう。ス
プリント戦で活躍した父の
スピードを存分に受け継いだ。この後は「ハイセイコー記念」を視野に調整される。「徐々に距離を延ばして、来年のクラシックに出られたら」と明るい未来を展望した。