内から抜け出したホウオウラスカーズ(左)。中央はドロップオブライト
「京成杯AH・G3」(6日、中山)
枠、斤量、展開すべてを味方につけて重賞初制覇を成し遂げた。最内枠の7歳牝馬
ホウオウラスカーズが、偉大な父をほうふつとさせる切れ味を発揮し、ラ
イバルたちを退けた。近況は1800〜2000メートルを主戦場としており、久々のマイル戦で3連単93万円超えの大波乱を巻き起こした。
持ち味は最後の爆発力。テン乗りの木幡巧も細心の注意を払い、五分のスタートから中団やや後ろを確保した。十分な手応えで4角を回ると、呼応するように内へ進路を取り、狭い馬群をすり抜けてゴールに飛び込んだ。
20年ダイヤモンドS(
ミライヘノツバサ)以来となるJRA重賞3勝目を飾った木幡巧は「開幕週ですし、ある程度の位置にはいたかった。最後は行く所もなかったのですが、うまいことさばけて良かった」と狭いスペースを縫うように進んだ相棒の頑張りに感謝しきり。上がり3Fはメンバー最速の33秒1を記録した。
高木師は「斤量に枠も良かったし、ジョッキーがうまく乗ってくれた。難しいところのある馬だけど、切れ味は一級品ですからね」と孝行娘の活躍に目尻を下げた。今後は未定だが、残り少ない名馬ディープインパクトの娘として、ターフを騒がせてくれる存在になりそうだ。