天皇賞(秋)へ向けた重要な前哨戦として位置づけられる毎日王冠。東京競馬場の芝1800mを舞台に、今年もGI馬を含む豪華なメンバーが集結した。実績のある古馬に、勢いに乗る3歳馬がどう挑むのか、世代間の力関係が問われる一戦となる。過去のデータを紐解き、レースの傾向を分析する。
1.前走3着馬の好走率が突出
 過去10年のデータを見ると、前走で3着だった馬は[2-0-4-2]と、複勝率が75%に達しており、驚異的な安定感を誇る。複勝回収率も118%と高く、馬券的な妙味も十分だ。前走で勝ち切れないまでも、僅差の競馬を演じた馬が、ここで巻き返すケースが非常に多い。馬券検討の際には、この傾向を重視すべきだろう。
2.3、4歳馬が中心で世代交代の波
 馬齢別の成績では、3歳馬が複勝率35.3%、4歳馬が36.4%と高い数値を記録している。対照的に5歳馬は25.8%、6歳以上になるとさらに成績が下降する傾向にある。レース間隔が開きやすい秋の始動戦ということもあり、フレッシュな若い世代が古馬を上回るパフォーマンスを見せることが多い。今年も若い力が中心となる可能性は高い。
3.前走GI組が安定した成績を誇る
 前走のクラス別では、GIを使われてきた馬が[6-6-4-32]で複勝率33.3%と、最も高い数値をマークしている。厳しいレースを経験してきた実力馬たちが、ここでは格の違いを見せつけることが多い。勝率こそ突出していないものの、3着以内に好走する確率は非常に高く、軸馬選びにおいて信頼できるローテーションと言えるだろう。 
サトノシャイニングは今年の3歳世代。前走はGIの日本ダービーで4着と世代トップクラスの実力を示している。データ的にも3歳馬の好成績、前走GI組の安定感という強力な後押しがある。前走で4コーナー2番手につける先行力も、複勝率45.5%を誇るデータに合致しており、初の古馬相手でも中心視できる存在だ。