13年の中山グランドジャンプを制したブラックステアマウンテン(13年4月撮影、ユーザー提供:モエロウエクラさん)
今週は第1回のアイルランドトロフィーが行われる。そこでこの機会に日本のGIで活躍したアイルランド調教馬を振り返りたい。
グレード制導入以後、アイルランド調教馬として唯一、日本のGIを制したのは
ブラックステアマウンテンだ。13年春、まずはペガサスジャンプSに参戦。ここは日本の速いペース、そして障害に戸惑ったのか3秒7差の9着に終わったが、この一戦でチューニングを完了。本番の中山グランドジャンプは単勝26.4倍の8番人気に甘んじたが、前々から渋太く脚を使い、直線入り口で先頭へ。最後は外から追ってきた
リキアイクロフネを半馬身凌いで勝利。02年の
セントスティーヴン、05〜07年の
カラジに次いで史上3頭目の海外調教馬による中山グランドジャンプ制覇を果たした。
そしてアイルランドで忘れてはならないのがA.オブライエン調教師の存在だ。これまで日本には7頭が遠征。いずれも
ジャパンCで、古い方から順に04年の
パワーズコート、10年の
ジョシュアツリー、17年の
アイダホ、18年の
カプリ、21年の
ジャパンとブルーム、24年の
オーギュストロダンとなる。18年の
カプリは前年の愛ダービー馬。同年も凱旋門賞で5着、英チャンピオンSで4着と健闘していたことに加え、R.ムーア騎手の騎乗とあって注目を集めたが、11着に大敗した。そして昨年の
オーギュストロダンはディープインパクト産駒の超大物とあって4番人気の支持を受けたが、8着に敗退。日本馬の厚い壁に跳ね返されている。
意外にも苦戦が目立つアイルランド勢だが、世界
トップレベルの競馬大国であることは間違いない。今後参戦があった際には、是非とも注目してほしい。