10月13日(月・祝)に盛岡競馬場で行われるマイルチャンピオンシップ南部杯(3歳上・JpnI・ダ1600m)。持ち回り開催の「JBC」を除けば、三大都市圏以外で実施される唯一のGI競走で、秋のダートマイル王者を決する一戦となっている。また、“Road to JBC”にも指定され、勝ち馬にはJBCスプリントまたはJBCクラシックどちらかへの優先出走権が与えられる。
出走枠は中央所属馬7頭、地方所属馬9頭。今年は出走馬の半数以上となる9頭が
グレード重賞勝ち馬という好メンバーでの争いになった。3連休最後を飾る大一番を制すのはどの馬か。発走予定日時は13日(祝・月)の18時15分。主な出走予定馬は以下の通り。
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シャマル(牡7、栗東・松下武士厩舎)
ダート
グレード重賞9勝は現役最多。今年も黒船賞、かしわ記念、さきたま杯と3連勝を飾り、7歳を迎えてますます充実している。南部杯は22年以来、意外にも3年ぶりの参戦だ。当時は8枠15番から外々を回って3着と、しぶとい走りを見せていた。今回も実力は最上位レベルで、展開ひとつで勝ち負けの期待大。主戦の川須栄彦騎手が落馬負傷のため、今回はホッカイドウ競馬の石川倭騎手と急遽のタッグになったが、盛岡での騎乗経験も豊富な名手で不安はない。
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ペプチドナイル(牡7、栗東・武英智厩舎)
昨年のフェブラリーSでは、11番人気の伏兵評価を覆し
ビッグタイトルを獲得。続くかしわ記念は一周競馬で
スピードを生かし切れず3着に敗れたが、南部杯では国内最強クラスだった
レモンポップと一騎打ちを演じ、3/4馬身差の2着と十分見せ場をつくった。その後もチャンピオンズCで5着、今年のフェブラリーSで4着と、国内ではトップ層で安定感のある走りを見せている。ワンターンのダートマイルはもっとも力を発揮できる舞台で、ひさびさの白星を目指す。
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イグナイター(牡7、兵庫・新子雅司厩舎)
デビュー3戦目から地方競馬で走り、22年の黒船賞を皮切りにダート
グレード重賞4勝。同年から2年連続でNAR
グランプリ年度代表馬、4歳以上最優秀牡馬、最優秀短距離馬に選出され、地方競馬の“顔”として、長くファンを沸かせてきた。23年の南部杯では
レモンポップに離されたものの、後続の追撃を封して2着に粘り込み。ベストは小回りの1400mだが、マイルはこなせる範囲。現役も終盤に近づいているが、ここでもうひとつ大きな勲章を手にしたい。
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ウィルソンテソーロ(牡6、美浦・高木登厩舎)
23年5月のかきつばた記念から重賞3連勝を飾って、ダート界の超新星に名乗り。24年のJBCクラシックを制したほか、JpnI/GIで6度の2着と何度も見せ場をつくってきた。今春は中東遠征を敢行し、サウジCで4着、ドバイWCで7着。7月頭の帝王賞は伸びきれず5着だったが、ひと息入れての巻き返しを期待したい。ひさびさのマイル戦とはなるが、条件馬の頃に何度も経験している距離で、1500mでの重賞勝ちもある。距離短縮は問題なく、JpnI・2勝目を狙う。
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シックスペンス(牡4、美浦・国枝栄厩舎)
通算9戦目にして初ダートとなる。23年9月の新馬戦から、ひいらぎ賞、ス
プリングSと無傷3連勝を飾り、日本ダービーにも参戦。さらに昨秋の毎日王冠、今年初戦の中山記念を連勝し、大阪杯では1番人気に支持された。続く安田記念は12着で、今回から大幅な路線変更。期待馬が砂で新味を発揮するか。父
キズナの産駒はダートでも活躍しているうえ、母はダート7Fの米G1・
マディソンSを制した実績がある。血統的にはいきなりから通用しても不思議ではない。
そのほかにも、ダート
グレード重賞3勝の
サンライズジパング(牡4、栗東・新谷功一厩舎)、23年の南関東三冠馬
ミックファイア(牡5、大井・渡辺和雄厩舎)、3歳時以来のマイル戦となる
リメイク(牡6、栗東・新谷功一厩舎)などが出走を予定している。