◆第86回菊花賞・G1(10月26日、京都・芝3000メートル)
第86回菊花賞・G1(26日、京都)で、イシゴー(石行佑介)記者が担当する「考察」見立て編は、上がり馬の
レクスノヴァスに注目した。
春2冠の勝ち馬不在に加え、全馬が未経験の舞台。各ジョッキーの心理状態がレースの行方を大きく左右する。気になるのは、時に大仕事をやってのける逃げ馬の存在だ。玉砕覚悟の大逃げも含め、その手に出るにはスタミナの裏付けが必要となる。
21年は
タイトルホルダーの逃げ切り。同馬の育成時代の話を生産者・岡田スタッドの岡田牧雄代表にうかがったことがある。2歳の序盤から並外れた体力があり、他の育成馬よりも坂路を多く上がってもケロッとしていたという。有馬記念を勝ったマツリダゴッホよりも上と評価された心肺機能が、過酷な距離を
ハイラップでしのぎきることができた要因となった。
今年のメンバーを見ると、
レクスノヴァスが気になる。レースセンスがあり、近2走の発馬が速く前、前での立ち回りが目に浮かぶ。函館&札幌の2600メートルを連勝中と勢いもさることながら、デビューから一貫して2000メートル以上を使われている点から、心肺機能の高さもうかがえる。鞍上の意のままに運ぶことができる操縦性の高さに加え、追ってから徐々にペースアップし、どこまでも伸びていきそうな末脚は、ハナを切っても面白そうなタイプだ。
父は菊花賞、有馬記念、天皇賞・春と長距離G1を総なめにした
キタサンブラック。距離適性は高そうで、【3210】と崩れず一戦ごとに着実に成長を遂げている点も見逃せない。(石行 佑介)