3歳クラシック最後の1戦。今年は皐月賞馬が天皇賞(秋)へと向かい、ダービー馬は凱旋門賞へと歩を進めたために、春二冠の勝ち馬がいない組み合わせとなった。舞台となる京都競馬場3000mは3角手前からスタート。“難所”と言われる坂を2度上り下りしながら馬場を1周半するコース設定だ。外枠に入った逃げ、先行馬にとっては急坂を上りながらポジションを確保しなければならず、またスタンド前の歓声にも動じない精神力も求められる。阪神競馬場で行われた2021、22年を除く過去10年間で、上がり3ハロン最速馬は[5-4-1-5]。スタミナと操作性、瞬発力が求められるレースだ。
◎
ヤマニンブークリエはセントライト記念2着。前後半の半マイルが47.9秒〜46.4秒というスローペースを中団インでじっと我慢。勝負どころでも自分のペースをしっかりと守り切り、最後は狭いところを割って出た。結果的には皐月賞馬の決め手に屈する形となったが立ち回りの上手さを証明する1戦にもなった。前々走の町田特別も同様に50.0秒〜47.0秒というスローペースの流れをじっと我慢。最後は内ラチ沿いを抜け出した。京都競馬場は新馬戦に勝って、黄菊賞は
ミュージアムマイルの2着で[1-1-0-0]。願ってもない枠順を引き当て、期待が膨らむ。
〇
ジョバンニの春シーズンは皐月賞4着、日本ダービー8着。皐月賞は道中にポジションを下げざるを得ない不利があり、日本ダービーは春シーズン3戦目でやや精彩を欠いた。昨年7月のデビュー戦からコーナー4つの競馬にこだわるようなローテーションを歩んでホープフルSは
クロワデュノールの2着で、野路菊S、京都2歳Sはいずれも
エリキングの2着。休み明け神戸新聞杯のマイナス体重は不満だが、決め手不足を距離延長で補うことが出来れば立ち回りの上手さを武器に出来る舞台設定だ。
▲
エネルジコは青葉賞優勝馬で新潟記念2着。青葉賞はヨレるようなスタートから後方待機。最後は11.9秒〜11.3秒〜11.2秒という加速ラップをメンバー最速の33.4秒という末脚で突き抜けた。日本ダービーは大事を取って
スキップし、12kg増の馬体重で挑んだ新潟記念は2着。勝ち馬の瞬発力に屈したものの、ゲートでの遅れを早めにリカバリーするなど操作性の高さを見せながら、3着
ディープモンスターに先着した。デビュー以来、1度も馬体重減がないように先々まで楽しめそうな馬だ。
△
エキサイトバイオはラジオNIKKEI賞2着。平均ペースの流れを中団インでじっと我慢し、最後は狭いところを割って抜け出した。京都競馬場は[0-1-0-1]。外回りコースの経験はないが、内回りコースよりも向く印象はある。
神戸新聞杯優勝の△
エリキング、日本ダービー3着で神戸新聞杯2着△
ショウヘイと、最後に日本海Sを勝って挑む△
ゲルチュタール。春シーズンもゆきやなぎ賞に勝って、青葉賞は0.1秒差3着ならあっと言わせても不思議ではない能力の持ち主だ。