デビューVを飾ったウップヘリーア(右)(カメラ・荒牧 徹)
10月25日の東京5R・2歳新馬(芝2000メートル=9頭立て)は、3番人気の
ウップヘリーア(牡、美浦・黒岩陽一厩舎、父
エピファネイア)が、首の上げ下げの大接戦を制してデビュー戦を白星で飾った。03、04年にエリザベス女王杯を連覇した
アドマイヤグルーヴを祖母に持ち、4代母に
ダイナカールがいる名牝系の流れをくむ良血馬だ。勝ち時計は2分3秒1(良)。
最内枠からポンと好スタートを決めて、そのままハナヘ。少頭数らしく前半1000メートル通過1分2秒9のスローペースを刻み、直線では外から
ブラックオリンピアが迫ってくると、もうひと伸びして最後は首の上げ下げの大接戦を鼻差で制した。
クリストフ・ルメール騎手は「1枠でいいスタートをしたから、しかたなく先頭に行きました。でもマイペースで走っていけて、すごく乗りやすかった。(直線は)だんだん伸びてくれて他の馬を待つ余裕があって、(
ブラックオリンピアの)川田さんが併せに来た時、もう1回、加速した。距離はぴったりです」と勝利を振り返った。
黒岩調教師は「気性的にやっぱり高ぶりやすい面がありますが、レースではゆったり走ってくれて、操縦性も高くてイメージ通りの走りでした。スタートで出たから行きましたけど、前、前に行くのはプラン通りでした。最後はずっと先頭でソラを使いましたけど、(2着馬に)来られたぶん、反応できていた。首の上げ下げでしたが、勝ち切れてよかったです。まだ気持ちも体も子供なので、(この後は)休養して成長を促したいと思います」と、価値ある白星を振り返った。