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リーダーズC競走が日本時間11月1日と2日、米国・
デルマー競馬場で行われる。日本人最多の海外重賞16勝を誇る「世界のYAHAGI」こと矢作芳人調教師=栗東=は3頭を送り出す。BCジュベナイルフィリーズターフ(1日、芝1600メートル)には
スウィッチインラヴ(牝2歳、父
コントレイル)。国内外問わずにベストの舞台を求め、自ら手がけた
コントレイルの産駒で海を渡る。(取材・構成 山本 武志)
矢作調教師の視界に「国境」はない。
スウィッチインラヴにとって、ベストの舞台はどこなのか。その考えを突き詰めた結果、思い浮かんだのがアメリカの
デルマーだった。
「大きな理由は馬の特徴ですね。日本で使うと、マイルはちょっと長くなってくるのかなというのがあった。今の日本の牝馬のG1、桜花賞や阪神JFのワンターンの直線の長い1600メートルでは厳しいかなというのを感じている。あの馬の
スピードを生かすには、
デルマーの小回りの芝が向いているのでは、という気持ちです」
冷静に参戦への意図を説明した後、うれしそうな表情でこう言葉を続けた。
「図らずも
コントレイル産駒で、という感じだよね」
自ら手がけた無敗の3冠馬、
コントレイルの子供に携わることは大きな
モチベーションになっていた。初年度産駒となる現2歳世代は10頭以上も預託予定。その中からコ
ロナ禍などもあり、
コントレイルの現役時代には実現しなかった海外遠征に挑戦する子供が早くも現れた。経験豊富な矢作厩舎だが、海外2歳重賞への挑戦はこれが初めてになる。
「2歳馬はヨーロッパが当然、早い時期から重賞、G1があって、レーティングを取れる。ただ、日本が取りようがないので、その辺も考えないといけないですよね。今回に関しては、彼女がこういう舞台設定の方が強いだろうという考え方。2戦とも瑠星が乗っていて、『合っていると思います』と言ってくれてもいます。どこまでやってくれるかですね」