小さな体に無限の可能性が詰まっている。デビュー戦を大差勝ちした
グルーヴィン(牡2=浦和・小久保、父
ヘンリーバローズ)が29日、4Rの自己条件(1400メートル)に出走。無傷の2連勝を飾った。421キロの小柄な体を躍動させて2着に1馬身半差つけてゴール。デビュー戦のような派手さはなかったが、鞍上の本橋は「ステッキは肩に入れた程度。心臓がいいのかな。成長すれば凄い馬になりそう」と賛辞の言葉を並べた。
 サラブレッド市場で人気を集める雄大で筋骨隆々なタイプとは正反対。だが、プロたちの目は違った。オーナーの
アドバイザーを務めるのは本紙「血統ビーム」コラムでもおなじみの亀谷敬正氏。亀谷氏はその卓越した血統理論からディープインパクトを父に持つ
ヘンリーバローズに注目。既に種牡馬として多数の活躍馬を輩出する全兄
シルバーステートと同等の能力があると確信していた。「ディープの血なら体が小さくても問題ない。母父(エンパイアメーカー)の血も優秀」と生産牧場で出合った
グルーヴィンを青田買い。さらに小久保師も「小さいがフレームが良かった。今までの経験から、この形で
スピードがないわけがない」と同馬のポテンシャルを見抜いた。
 「この先、負担重量が増えるし、あと10〜20キロくらい体が増えてくれれば」と師。注目の次走は浦和次開催(11月25〜28日)の2歳一組戦。大舞台を見据え、着実に足場を固めていく。(大沢 太久)