◆第25回JBCクラシック・Jpn1(11月3日、船橋競馬場・ダート1800メートル)
JBC諸競走は3日、船橋と門別競馬場で行われ、第25回JBCクラシックは1番人気の
ミッキーファイトが完勝でG1級を連勝した。鞍上のクリストフ・ルメール騎手(46)=栗東・フリー=は前日の天皇賞・秋から2日連続でG1級競走4連勝。同じ4歳の
フォーエバーヤングがBCクラシック・米G1を制覇。来年は海外を舞台に、ラ
イバルとの再戦に挑むつもりだ。
4歳馬のレベルの高さを、日本の“クラシック”で改めて証明した。今年の帝王賞馬
ミッキーファイトは場内がハラハラする間もないほどの脚いろであっという間に先頭に立つと、楽々と3馬身突き放した。2日の天皇賞・秋と同じく両手で
ガッツポーズをしながら引き揚げてきたルメールが「本当に強いわ」とため息を漏らすほどの楽勝だった。
道中は距離ロスを考えずに外、外を回りながら追走。直線入り口で逃げ馬を早々につかまえる盤石の形だった。「馬の状態は完璧。強い馬なので安全運転で乗った」と、涼しい顔で秋華賞からG1級4連勝を達成。18、20年にJRAでのG14連勝がある名手は、2日連続でタイトルを手にした。
田中博調教師は左右の
バランス差から左回りに不安を持っていたが、あえて船橋への参戦を決断。「来年は是非、中東に行きたい。今後に向けて不安が一つなくなった」。左回りで行われる中東や米国のダートを見据え、これ以上ない結果で課題を克服してみせた。
日本時間2日朝に同世代の
フォーエバーヤングが、米BCクラシック制覇の快挙。トレーナーは「あそこまでつくれる関係者の努力が伝わる。馬だけでなく(坂井)瑠星を含めたチームにすごく心を動かされました」と、昨年のJDCで2着に敗れたラ
イバルを
リスペクト。そのうえで「機会があればまた一緒に走らせたい。これからもっと強い
ミッキーファイトを見せられると思う」と言い切った。
体調次第では東京大賞典(12月29日、大井)への出走も視野に入れるが、来年は満を持して海外へ。同世代の日本馬2頭が世界のダート界を席巻する未来が訪れるかもしれない。(浅子 祐貴)
ミッキーファイト 父
ドレフォン、母スペシャルグルーヴ(父スペシャルウィーク)。美浦・田中博康厩舎所属の牡4歳。北海道安平町・ノーザン
ファームの生産。通算成績10戦7勝(うち地方4戦3勝)。総獲得賞金は3億6538万7000円(うち地方2億3450万円)。主な勝ち鞍はレパードS・G3、名古屋大賞典・Jpn3(ともに24年)、帝王賞・JpnI、
アンタレスS・G3(ともに25年)、馬主は野田みづき氏。