11月9日(日)に東京競馬場で行われるアルゼンチン共和国杯(3歳上・GII・芝2500m)。秋の府中開催名物のハンデキャップ戦で、ここから有馬記念へと向かう馬もいる。今年は重賞3勝の
レーベンスティール、札幌日経賞を制した
スティンガーグラスなどが登録し混戦模様。本稿では同レースの実施にあたり、歴代勝ち時計をランキング形式で紹介する(
グレード制が導入された84年以降、東京芝2500mの開催に限る)。
■4位タイ 2分30秒0 2017年
 スワーヴリチャード 17年は始動戦の共同通信杯で重賞初制覇を飾り、皐月賞は6着に終わったものの、日本ダービーでは2着と見せ場。世代上位の力を見せた。秋は菊花賞を選択せず、アルゼンチン共和国杯に参戦。3歳馬で56kgの斤量を背負ったが、実績が買われ単勝2.0倍の1番人気に支持される。道中は内の6、7番手で脚を溜め、直線はラチ沿いをスルスルと進出。早めに抜け出して後続に2馬身半差を付けて快勝し、あっさりと古馬を撃破した。
■4位タイ 2分30秒0 2010年
 トーセンジョーダン 4歳時の10年に1600万下の漁火S、OPのアイルランドTを連勝。初タイトルを狙って、アルゼンチン共和国杯に駒を進めた。重賞未勝利の身でありながら、トップハンデタイの57kgを背負う。それでも、単勝3.1倍でやや抜けた1番人気となった。道中は内目を追走していたが、徐々に外目を持ち出して、直線では馬場の中央を鋭く伸びた。最後は追い込んだ
ジャミールに1.3/4馬身差の快勝。勢いそのままに参戦した有馬記念でも5着に健闘見せた。
■2位タイ 2分29秒9 2023年
 ゼッフィーロ デビューから芝中距離戦で実績を積み、23年3月の御堂筋Sを制してOP入り。昇級後も同年のメトロポリタンSが3着、目黒記念が4着、オールカマーが3着と安定した成績を残していた。アルゼンチン共和国杯ではモレイラ騎手とタッグを組み、抜けた1番人気でレースへ。序盤から中盤にかけては後方を追走したが、差し馬台頭の流れに乗じて、直線では一気に脚を伸ばした。一瞬、狭くなる場面もあったが、鞍上が冷静にさばき白星を飾った。
■2位タイ 2分29秒9 2012年
 ルルーシュ アルゼンチン共和国杯の前まで、デビューから10戦連続で掲示板確保と抜群の安定感を誇っていた。横山典弘騎手とのコンビで初タイトルを目指し出走。
ギュスターヴクライに続く、2番人気の支持を受けた。道中は2、3番手から運んだが、直線入口で先頭に立って早めに勝負を付けにいくと、残り200m地点で後続に3、4馬身のセーフティーリード。追ってきた
ムスカテールには1馬身半差を付け、生涯唯一となるタイトルをつかんだ。
■1位 2分29秒0 2024年
 ハヤヤッコ 3歳時のレパードSで白毛馬初となるJRA重賞勝ち。6歳春に芝へ再転向し、夏には函館記念を制した“二刀流”。3つ目のタイトルを狙ってアルゼンチン共和国杯に出走したが、直前のタイランドC(OP)でも3着と目立たず、単勝35.3倍の10番人気と伏兵の域を出なかった。だが、レースでは驚きの末脚を披露。4コーナーでも後方15番手にいたが、真っ白な馬体が大外一気。58.5kgのトップハンデをものともせず、他馬を一蹴した。