栗東CWでしまいを伸ばしたアウトレンジ(撮影・石湯恒介)
「みやこS・G3」(9日、京都)
帝王賞2着の
アウトレンジが実りの秋へ始動する。5日の最終追いは栗東CW。終始馬なりだったが、それでもラストは鋭く伸びて1F11秒4でフィニッシュ。軽快な動きで万全の出来をアピールした。
充実の秋にすべく、帝王賞2着の
アウトレンジが3度目の重賞制覇を目指す。栗東CWでの最終リハは6F82秒1-36秒6-11秒4としまいを重視。3週続けてCWで追われたが、なかでも松山を背にした2週前は6F79秒8の自己ベストと圧巻だった。大久保師は「中間は素晴らしい動きでした。JBCに出たかったけど、賞金順が下だったので早めにここへ。前走ぐらいの出来で臨めます」と手応えは十分だ。
前走は引き出しが増えた一戦だった。得意の押し切る形に持ち込めず、好位の内でためる競馬。直線で馬場の真ん中に持ち出すとジワジワと脚を伸ばし、次走JBCクラシックで横綱相撲を見せつけた
ミッキーファイトに首差まで迫った。師は「手応えがないなと思っても、そこから伸びてきましたね。エンジンが掛かるのが遅く、その差です。力は出せました」と振り返る。
主流血統だけが全てではない。父
レガーロは15年全日本2歳優駿2着はあるものの、勝ち鞍は未勝利戦と1勝クラスだけ。それでも種牡馬となった。中央登録は2頭で、現役は
アウトレンジただ1頭だ。大久保師&寺田寿男オーナーのコンビで夢へと突き進む。「次に向けていい競馬になるように。今回を含めて3回使いたい」とチャンピオンズC(12月7日・中京)→東京大賞典(12月29日・大井)のローテを描く指揮官。ここをきっちりと仕留めて、飛躍の秋へつなげる。