本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。
今週の重賞競走は土曜日に福島記念(GIII)、日曜日にマイルチャンピオンシップ(GI)、月曜日に東京スポーツ杯2歳S(GII)が行われます。その中から京都競馬場で行われるマイルCSを取り上げます。まずは過去の傾向から。
過去10年のマイルCSで3着以内に入った30頭のうち、27頭がGIで4着以内の実績を有していた馬となっています。ハイレベルなメンバーが相手となるGIで結果を残しているのは、それだけ能力が高い証拠と言えます。マイルCSでは高い能力を持っていることが好走条件のひとつになりそうです。
さらに、GIで4着以内の実績があった27頭のうち、22頭は芝1600mのGIで4着以内に好走していた馬。過去10年のマイルCSはすべて芝1600mで開催されています。同距離のGIで実績を残せているのは、能力だけでなく距離への適性にも秀でたものを持っている馬と言えます。マイルCSで結果を残すためには、高い能力を持っていることと非凡な距離適性というのも必要不可欠と言えるかもしれません。
続いては、過去10年のマイルCSでの前走着順別成績です。過去10年のマイルCSでは、前走3着以内の馬が9勝2着9回3着5回となっています。マイルCSはハイレベルなメンバーが集う一戦ですので、前走で好走した勢いも結果を残すための重要な鍵になりそうです。
一方、前走4着以下の馬は1勝2着1回3着5回と苦戦傾向にあります。この7頭のうち、4頭は前走で1600m以外に出走。マイルCSは1600mで行われますので、前走が違う距離での敗戦だった場合は参考外と考えてもいいかもしれません。
前走が1600mで4着以下だった馬で馬券に絡んだのは21年
ダノンザキッドと17年、18年の
ペルシアンナイトでどちらも前走はマイルCSの前哨戦である富士S(GII)(17年、18年はGIII)に出走していました。この2頭はGIで連対実績があり、賞金を十分に稼いでいた馬。そのような馬は前哨戦で出走権利を獲得、または賞金を稼ぐ必要はありません。GIで連対実績のあった馬が前哨戦に出走していた場合、本番を見据えた仕上がりだった可能性がありますし、そこでの敗戦は参考外と考える必要があると言えそうです。
それでは早速ですが、今週のマイルCSでAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。
◆実績馬を素直に評価
ジャンタルマンタル これまで芝1600mのGIで3勝を挙げている実力馬。デビューから安定感も抜群で馬券圏外になったのは3走前の香港マイル(G1)での13着のみ。その香港マイルは熱発明けや長期休み明け、初の海外遠征などが重なりましたし、厳しい条件の中での出走で大敗も致し方ない印象を受けます。
前走の富士Sは2着。実績を考えると勝ち切れなかった点には物足りなさを感じますが、戦前の陣営の雰囲気から本番を見据えての仕上げだったように思えます。レースは上がり33.4秒と瞬発力が求められる流れ。本馬は59キロを背負っていましたので、斤量の影響があった可能性も否定はできません。今回は休み明けを叩かれて状態は上昇しているはずですし、これまでの実績から力を出し切れれば勝ち負けになる1頭と言えるはずです。
エルトンバローズ 今年で3年連続でのマイルCS出走となる本馬。過去2回は4着、2着と崩れていませんし、この舞台への適性は十分。近2走は目立った結果を残せていませんが、2走前の中京記念(GIII)での8着は骨折明けで9か月ぶりの出走。前走の毎日王冠(GII)での5着もレース後に完調ではなかったというようなコメントを残していますし、ここ2走は参考外と見ていいかもしれません。
この中間の報道を見ると、休みが長かったので1回叩いただけでは足りないため中京記念、毎日王冠を使ったそうです。マイルCSで結果を残すため、逆算して使っていたようですし、本番へ向けてきっちりと仕上げてくるはずです。実際、陣営のコメントを見てもここ2走より状態は上昇しているようですし、変わり身を見せる可能性は十分にありそうです。能力が足りることは証明している馬ですし、実績のある舞台での一変に期待したいところです。
ガイアフォース 前走の富士Sでは実績馬
ジャンタルマンタルや
ソウルラッシュを相手に勝利し、22年9月のセントライト記念(GII)以来の重賞2勝目となった本馬。その2頭よりも軽い斤量だったとは言え、先着するのは簡単なことではありません。高い能力があるからこそ、GIでの実績に優れた馬を相手に結果を残せたのでしょう。
2走前の安田記念(GI)では2着。このレースは3コーナーから4コーナーでごちゃついて位置を下げてしまったようですし、直線では
ソウルラッシュに先を越されてから追い出す苦しい形。それでもグイグイと伸びて連対を確保。勝った
ジャンタルマンタルを差し切るまではいきませんでしたが、スムーズさを欠いた中で崩れなかったのは評価できます。ここ2走の内容からマイル路線で
トップレベルの能力があるのは間違いないですし、GIタイトルを獲得して不思議のない1頭と言えます。今回も注目して損のない1頭と言えるのではないでしょうか。
今回は以上となりますが、枠順確定後の週末版では枠番や調教時計、天候などが加味されます。現時点で浮上しなかった馬が急上昇する事もありますので、そちらも楽しみにお待ちください!