松山とのコンビで悲願達成を狙うウインマーベル(撮影・園田高夫)
「マイルCS・G1」(23日、京都)
一昨年の
ナミュール、昨年の
ソウルラッシュと、2年連続で実力馬がG1初制覇を飾っている秋のマイル王決定戦。今年のメンバーであと一歩に迫っているG1未勝利馬の代表格は、
ウインマーベルだろう。昨年のマイルCS3着後はス
プリント路線を“卒業”し、8F戦での
ビッグタイトルを目指して戦ってきた。今回が路線変更5戦目。ついに大願成就となるか。
これまでG1に挑戦すること7回。初挑戦だった3歳秋スプリンターズSで首差2着と好走した。頂点が手の届く位置にいると示して、はや3年。その間、タイトルを3つ積み上げ、重賞4勝馬となったが、G1タイトルはいまだに手にしていない。
短距離戦線から昨年秋、照準を少し長めのマイルにシフトしてマイルCSは3着。今春は高松宮記念をパスしてサウジアラビア遠征を選び、安田記念も5着と善戦した。「多少ズブくなっているのもありますが、以前より体もマイルが合うようになってきました」と深山師。この1年の挑戦は勝ち切るという結果にこそ手は届いていないが、着実に悲願への布石を積み重ねている。
前哨戦のスワンS4着も収穫は大きかった。トレーナーは「好位で競馬はできたのですが、結果を見ると、前に厳しい展開でしたね」と回顧。連対2頭は後方からの追い込み。逃げた馬は8着。一緒に好位に構えていた他の3頭はブービー近辺にまで後退していた。厳しい展開でもよく踏ん張り、地力の高さを改めて示した形だ。
中間の乗り込みも順調。火曜朝は美浦の角馬場で体をほぐし、ダートを1周してから坂路をゆったりと4F77秒1-14秒0で駆け上がった。深山師は「気合もほどよく乗っていて、状態も上向いています」と調整過程に自信を見せた。19日に最終追い切り。週末の輸送を経て、昨年は3着止まりだった晩秋の淀へ-。今度こそこの地で悲願をかなえてみせる。