◆第42回マイルCS・G1(11月23日、京都競馬場・芝1600メートル)=11月18日、栗東トレセン
本格化を予感させる充実ぶりだ。前哨戦のスワンSを1分18秒9のコースレコードで制した
オフトレイル(牡4歳、栗東・吉村圭司厩舎、父
ファー)が、余勢を駆ってG1初制覇を狙う。2走前の関屋記念でインを突き2着に入り、前走は4角11番手から突き抜けて、約1年4か月ぶりのタイトルを手にした。吉村調教師は「去年も走っているし、1400メートルが合うのは分かっていた。ずっと調子は良かったし、ジョッキーもうまく乗ってくれた」と振り返る。
スワンSは、昨年は本番まで中2週と日程が詰まっていたが、今年は中5週と間隔が空いた。「すごく調整がやりやすくなった。1週前は長めからしっかり。今朝も元気が良かったし、順調ですよ」。18日は栗東・坂路を活気十分に駆け上がって調整。思い通りの
ステップを踏め、トレーナーも満足な様子だった。
晩成の血が騒ぎ出してきた。父
ファー、母の父キングマンボと欧州型の血統構成。「ヨーロッパの血は使いながら良くなって、古馬になって本格化するタイプが多いと思う」と吉村師。4歳秋を迎え着実に力をつけている。馬体の成長も著しく、「筋肉の厚みというか、
パワーがついてきた。
ファーと体つきが似てきた」。2年前に実際に見たという英G12勝の父と、姿も重ね合わせる。
ここまで7戦で3勝、2着3回、3着1回の成績を残す京都巧者だ。指揮官は「相性のいい京都だし、絶対に脚を使ってくれると思う。荒れた馬場も苦にしないだろうし、G1だけど楽しみですよ」と期待。持ち味の鋭い決め手を、淀のマイル戦で存分に発揮する。
(山本 理貴)