直線で楽々と抜け出したニシノティアモ(左)が重賞初V
◆第61回福島記念・G3(11月22日、福島・芝2000メートル、良)
第61回福島記念・G3は22日、福島競馬場で行われ、2番人気でハンデ54キロの4歳牝馬
ニシノティアモが勝利。6月の1勝クラスから4連勝で重賞初制覇を飾った。手綱を執った津村明秀騎手(39)=美浦・フリー=は「もっと大きいところを狙いたい」と、さらなる飛躍に太鼓判を押した。
着差以上の強さだった。4角2番手で直線を迎えた
ニシノティアモは、津村の
ゴーサインに瞬時に反応。いい脚を最後まで持続させて、後続の追い上げを楽々と封じ込んだ。「手応え十分だったので自信を持っていきました」と鞍上が胸を張った、4連勝での重賞初制覇だった。
序盤の好判断も光った。「流れに乗っていこうと思っていたのですが、ペースが上がらなかったので、それならと思って」と1角を2番手でパス。その後も流れは遅いままだったが、好位でピタリと折り合えたことが最後の脚につながった。上原佑調教師も「ためてもいいし、位置も取れる。操縦性の良さが生きたレースでした」と納得の表情だった。
昨秋に喉を手術後、才能が一気に開花。「体質も強くなっている」と指揮官が勝因を挙げたように、この日も長距離輸送をクリアしてプラス体重で臨めていた。
コンビを組んで4戦4勝と負けなしの津村は、この馬への期待を隠さなかった。「本当にこちらがビックリするくらいの勢いで馬が良くなっています。来年、もっと大きいところを狙いたいなと思えるくらいの強さでした」。伝統のハンデ重賞で牡馬を一蹴した4歳牝馬の未来は明るい。(西山 智昭)
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ニシノティアモ 父
ドゥラメンテ、母ニシノアモーレ(父コンデュイット)。美浦・上原佑紀厩舎所属の牝4歳。北海道新ひだか町・タツヤ
ファームの生産。通算12戦5勝。総獲得賞金は1億1393万7000円。重賞初勝利。馬主は西山茂行氏。