マイルCSを制したジャンタルマンタル(中央)=撮影・飯室逸平
「マイルCS・G1」(23日、京都)
完全無欠の王者が誕生だ。1番人気に支持された
ジャンタルマンタルが堂々たる横綱相撲でラ
イバルを蹴散らし、1分31秒3のレースレコードで同一年春秋マイルG1制覇を達成。これで朝日杯FS、NHKマイルC、安田記念、マイルCSと牡馬が出走可能なJRA芝マイルG1・4競走の完全制覇となった。2着は4番人気の
ガイアフォース、3着には15番人気の
ウォーターリヒトが入り、連覇を狙った
ソウルラッシュは6着に敗れた。
文句なしの圧勝劇だった。マイルのカテゴリーで2歳時から圧倒的な強さを見せつけてきた
ジャンタルマンタルが、まさに王者の走りで史上9頭目となる同一年春秋マイルG1制覇を達成した。
レースは最内枠から飛び出した
トウシンマカオが後続を離して逃げる展開。
ジャンタルマンタルと川田は外め3番手を悠然と追走した。道中で大きな動きはなく、じっくり脚をためた状態で勝負の直線へ。来るなら来い-。そう思わせるような早め先頭の形から、堂々とラ
イバルの追い上げをシャットアウトした。
川田は「手応え通り、とてもスムーズでしたし、とてもいい動きができていました。西日が後ろから差していて、影で後ろの馬を確認しましたが、迫ってくる馬はいなかったので勝ちを確信しました。何よりここを絶対に勝ちたいという思いで準備をしてきたので、勝ち切れたことを褒めてあげたいです」とパートナーをたたえた。
休み明けの富士Sは59キロを背負い、8キロの馬体増もあって2着と、国内のマイル戦で初めて土がついた。ただ、全てはこの一戦を射止めるため-。ひと叩きで明らかな良化を示すと、馬体も6キロ減と研ぎ澄まされた。「とても素晴らしい状態で連れてきていただいたのを返し馬で感じました」と自信を深めた鞍上。高野師も「今までで一番いい肉体、精神状態でゲートまで行けたと思う」と満足そうに振り返った。
これで牡馬が出走可能なJRAマイルG1を史上初めて完全制覇。文句なしの『マイル王』となり、川田は「しっかりと胸を張って、このカテゴリーのチャンピオンだと自信を持って言える競馬でした」と力を込めた。今後に関しては未定だが「馬の健康をとにかく一番に考えて、どういう方向性になっても厩舎として動けるように、しっかりと管理を頑張っていきたい」と気を引き締めた指揮官。次なるステージは国内、それとも世界か-。日本が誇るマイル王の進む道は、いずれにしても明るく照らされている。