逃げ切ったヒズマスターピース(右)(カメラ・橋口 真)
◆赤松賞(11月23日、東京競馬場・芝1600メートル、良)
23日の東京9R・赤松賞(牝馬限定、2歳1勝クラス、芝1600メートル)は、5番人気の
ヒズマスターピースが逃げ切り、未勝利戦に続く2連勝を飾った。阪神JF(12月14日、阪神)へ向けて、名門・国枝厩舎から楽しみな一頭が誕生した。
発馬を決めるとジワッと先手を奪い、道中はマイペースに持ち込んだ。最後の直線を抜群の手応えで迎えると、しぶとく二枚腰を発揮し1馬身3/4差をつけてトップでゴール板を駆け抜けた。この日4勝と好調だった荻野極は「すごく弾むような全身を使ったフォームを邪魔しないような競馬をしようと思っていた。強い内容でしたし、性格もいいのでこの後も楽しみ」と賛辞を惜しまなかった。
管理する国枝調教師はこれがこのレース6勝目。09年Vの
アパパネは次戦で阪神JFを制したのち、牝馬3冠&11年ヴィクトリアマイルとG1・5勝。他にも20年
アカイトリノムスメ(21年秋華賞)、23年
ステレンボッシュ(24年桜花賞)がのちのG1馬へと駆け上がり、08年
ダノンベルベールも阪神JF2着と健闘したまさに“国枝G1ローテ”と言える相性抜群のレースを制した。来春に定年を迎えるトレーナーは「スムーズな競馬で落ち着いていたね。最後までしっかりと走れたし、楽しみ」と笑顔。次戦で視野に入れるのはもちろん阪神JF。偉大な先輩たちに続く大きな1勝をつかみ取った。(石行 佑介)