欧州からやってきた刺客が20年ぶりの快挙なるか。11月30日(日)に東京競馬場で行われるジャパンカップ(3歳上・GI・芝2400m)にG1・3連勝中の
カランダガン(Calandagan、セ4、仏・F.
グラファール厩舎)が参戦する。近年来日した馬の中でも頭ひとつ抜けた実績と勢い。その能力は日本最高峰の舞台でどれほど通用するのか、ファンと関係者は熱視線を注ぐ。
同馬は父
Gleneagles、母Calayana、母の父Sinndarという血統の愛国産馬。23年8月のデビュー戦は3着に敗れたが、2戦目で初白星をマークすると、24年にはノアイユ賞、
オカール賞、
キングエドワードVII世Sと重賞3連勝を飾る。次なる狙いを
ビッグタイトルに定め、欧州各地を転戦したが、英インターナショナルS、英チャンピオンS、ドバイSC、コロネーションCと4戦連続で2着。何とももどかしい結果が続いた。
だが、ついに素質が花開いた。5頭立てながら好メンバーが揃った今年6月のサンクルー大賞を勝利すると、続くキングジョージVI世&クイーンエリザベスS、英チャンピオンSとG1・3連勝。とりわけ前走は後方2番手の位置取りから、直線だけで他馬をごぼう抜きし、最後は後続に2.1/4馬身差を付ける余裕の勝ちっぷり。完全に本格化を思わせる走りだった。
近走内容が高く評価され、今月13日に発表されたロンジンワールドベストレースホースランキングで1位を獲得。さらに19日には、欧州競馬の年度表彰「カルティエ賞」で年度代表馬に選出され、名実ともに“現役最強馬”の肩書きも手に入れた。
セン馬のため凱旋門賞への出走資格がなく、早くから
ジャパンC出走が報じられていたことから、陣営も準備に抜かりはないだろう。外国馬の勝利は05年アルカセットを以降なく、そればかりか馬券に絡んだのも06年の
ウィジャボードの3着が最後。近年は不振をきわめているが、今年は好走またはそれ以上の結果が期待できるかもしれない。
ドバイSCで後塵を拝した
ダノンデサイルへのリベンジにも燃える一戦。
カランダガンは日本競馬史に残る走りを披露できるか。