2015年から24年に行われたJRA・G1レースで、最も堅いと言っていいのが
ジャパンC。3連単の平均配当は1万6499円と唯一の1万円台。3連単の最高配当は15年の5万3920円で、次点の秋華賞(16年、9万5520円)の半分。無理な穴狙いは禁物だ。
今年は現時点での世界ナンバーワンホース、
カランダガンが来日した。03年以降の「ロンジン・ワールドベストレースホースランキング」で、世界ナンバーワンが出走したのは14年2着の
ジャスタウェイ、22年1着の
イクイノックスだけ。海外調教馬では史上最強と言える1頭だが、海外調教馬の勝利は05年アルカセット、馬券圏内も06年3着の
ウィジャボードが最後だ。
自動車レースに例えると、日本と欧州の競馬は馬場が、「F1」と「ラリー」ぐらい違う気がするだけに、世界ナンバーワンホースと言えど好走は簡単ではないはず。馬券圏内に来たら、超越する存在としてあきらめるぐらいのつもりで臨む。
また、前走が凱旋門賞で
ジャパンCを制したのは06年のディープインパクトのみ。同一年では1996年のエリシオが凱旋門賞1着→
ジャパンC3着、12年の
オルフェーヴル2着→2着などがあるが、連続して好走するのは簡単ではない。前走が凱旋門賞14着の
クロワデュノールを管理する斉藤崇史調教師が、クリスチャン・デムーロ騎手に最終追い切りの手綱を託したのは、最高の状態での参戦が到底望めないからだろう。
上位人気必至の2頭に不安要素があれば、歴史に残る最強世代の6歳馬に食い込みがあるとみる。
ジャパンCでの6歳馬は00年以降【1・1・0・62】。馬券圏内に入ったのは03年タップダンスシチー1着、07年
ポップロック2着の2度のみ。だが、今年の6歳世代は先週のマイルCSで
ガイアフォースが2着に入ったように、ここまで3歳以上のG1すべてで馬券圏内に1頭は送り出してきた。今年は
ジャスティンパレス、
シュトルーヴェ、
セイウンハーデス、
ダノンベルーガの4頭が参戦予定だ。
改めて6歳で馬券圏内に食い込んだ2頭の戦歴を見てみたい。
・03年タップダンスシチー1着→前年有馬記念2着、金鯱賞1着、宝塚記念3着、京都大賞典1着
・07年
ポップロック2着→前年有馬記念2着、京都記念2着、目黒記念1着、宝塚記念3着、京都大賞典2着、天皇賞・秋4着
前年の有馬記念で2着に入り、同年の宝塚記念3着。G1で2度好走し、衰えなく能力が通用することを証明していた。
ジャスティンパレスは今年の宝塚記念3着、天皇賞・秋3着と、衰えがないことはもちろん、安定感については増してきていると言える。
昨年はスローペースで5着に終わり「長く脚を使うこの馬には厳しかった」と振り返ったクリスチャン・デムーロ騎手が2年連続で騎乗。1番ゲートからインで立ち回り、早めに前を射程にとらえる騎乗が濃厚だ。数少なくなったディープインパクト産駒は、種牡馬成績で
ジャパンC最多の4勝。衰えぬ6歳馬の底力に期待したい。(編集委員・小松 雄大)