【地方からの風】13日、ホッカイドウ競馬は25年度の全日程が終了。道営の騎手リーディングで3位に入った小野楓馬(25=小野望)が25日から12月25日まで、浦和競馬場で初めて期間限定騎乗(所属は浦和・水野貴史厩舎)することを決めた。
「水野厩舎所属で同期の福原杏(24)が北海道へ期間限定騎乗で来た時、自分と同じ厩舎所属になったり調教師同士の交流もあった。あと、浦和なら調教やレースにもたくさん乗ることができる」。今年キャリアハイとなる105勝を挙げた新たなホープは、休むことなく南関で腕を磨く。
「やる気が空回りした」と反省した開催初日の25日は8鞍に騎乗し、4着が最高成績だった。だが、気持ちを新たに臨んだ2日目は1Rを
オリジナルパターンで逃げ切り勝ち。コース形態上、激しい先行争いになりやすいレースで高い対応力を披露。「やっぱり小回りでト
リッキー。こっちの流れにしっかり慣れていかないと勝てない」とホームとの違いを実感していた。
デビュー7年目の今年は充実ぶりが目覚ましく、大舞台での活躍が目立った。
ソルジャーフィルドを史上8頭目となるホッカイドウ3冠馬に導き、鎌倉記念では道営馬
ベストグリーンとともに強力南関勢を撃破。「強い馬から教えてもらうことが多い」。人馬一体となって重賞タイトルを重ねていくごとに気持ちも変化。「思い切ったことができるし、じっと我慢もできる。自信を持って乗れるようになった」と小野は飛躍の要因を語ってくれた。
最終日のきょう28日、浦和7Rで
ティーズセラフに騎乗する。地元でコンビを組み続けてきた相棒に「素質はずっと感じていて力はかなりある馬。
スピードを生かして前々で運べれば」と転入初戦から自信を持つ。肌寒い日が増えてきた浦和競馬場だが、北海道出身の小野は「こっちは全然暖かいですよ」と笑う。関東の寒さを吹き飛ばず熱いパフォーマンスに期待したい。(面来 陽介)