外に出すと一気に突き抜けたジャスティンビスタ(撮影・石湯恒介)
「京都2歳S・G3」(29日、京都)
一頭だけ脚色が違った。9番人気の
ジャスティンビスタが下馬評を覆し、世代上位へ名乗りを上げる堂々の重賞初Vだ。
好発も道中は自分のリズムを守り、控える競馬を選択。4角では進路を失い、直線の入り口では接触する不運が重なった。もう大勢は決した-。そう思った刹那に右ムチが光る。ラスト200メートルでグングン加速し、前をまとめてとらえ切った。勝利へ導いた北村友は「追い切りでは前走より良くなっているのを感じた。小脚を使う器用さはないので、早く動いて行きたかったけど、馬群で動けなかった。イメージとは違う競馬でも、予想していたより最後の脚を使ってくれた。次は今以上に良くなってくれると思う」と相棒をたたえた。
重賞制覇を果たした熱が冷めやらぬうちに、日曜はダービー馬
クロワデュノールとの大一番である
ジャパンCに参戦。鞍上は「あしたもいい結果を出せるように、僕も馬ももっと上を目指す」と気合を入れ直した。
21年
ジャスティンロック以来、2度目の制覇となった吉岡師は「タイトな競馬も折り合いも問題なく、悪いところがなかった。調教からはまだ全然未完成。伸びしろも大きい」と目を細める。過去の勝ち馬に、昨年の
エリキングや一昨年の
シンエンペラーなどが名を連ねるクラシックの登竜門。「ここからいいレースに行く馬もいるし、将来が楽しみ」と師は今後の活躍に思いをはせた。