夜半から降り続いた雪は、調教開始時間の午前7時を過ぎてもやまなかった。久しぶりの銀世界となった美浦トレセンは使用コースを美浦南D、北Cに限定して開門。開放時間も午後2時まで延長されたことで、ほとんどの厩舎が作業開始を遅らせた。
そんななか朝一番から精力的に動いたのが、{horse=2001103660:トーセンブライト}の追い切りを予定する加藤征厩舎だ。まずは南Dに管理馬数頭を入れ、馬場状態をチェック。その後「どうせなら東京と同じ左回りで」とトレーナーは調教場所を北Cへ移し、GIへ向けての最終追いが始まった。
その背中には新コンビを組む北村宏。並走するホローポイント、アサクサハンターの新馬2頭を約8馬身先行させてスタートする。3角から4角で勢いをつけて両馬との差を詰めると、直線では最内へ。そこからは3頭が馬体をぴったり並べてゴールまで並走。ブライトは後輩2頭の脚色に合わせる余裕をみせてフィニッシュを決めた。
全体時計の5F64.3-36.5-12.2秒も優秀だが、状態の良さを物語ったのが、降りしきる雪を切り裂くように一気に追い上げた時の脚だ。「レースでも途中で自らハミをとって行く馬なんだ。北村(宏)君も特徴をつかんだんじゃないかな」と加藤征師は満足げな表情を浮かべた。
提供:デイリースポーツ