「第61回毎日王冠・GII」(芝1800m)は10日、東京11Rに10頭で争われ、中位で折り合いに専念した6番人気の
アリゼオが、先に抜け出した8番人気
エイシンアポロンを内からジワジワと追い詰め、鼻差差し切ったところがゴール。1分46秒4のタイムで重賞2勝目を飾った。3着は1馬身半差で
ネヴァブションが入り、1番人気に支持された
ペルーサは大きく出遅れ、懸命に差をつめたが5着に敗れた。
「ラスト1完歩でギリギリかわせたかなって。こういう(渋った)馬場も合うんだろうね。最後までしぶとく伸びたよ」。コンビ初結成でいきなりVという最良の結果へ導いた福永だが、レース前のイメージは2番手くらいで先行する形だったという。
それでも
アリゼオのスタートがあまり速くなかったこと、逆に自身の両サイドの馬が素早くゲートを出たことで瞬時に作戦を切り替えた。「あの状況で出して行ったら掛かるから」。1週前に美浦で乗り味を確かめ「思ったよりも抑えが利く」と感触を得ていたことも大きかった。
今回はダービー13着以来の実戦。レース前は腹下からの発汗が1頭だけ目を引き、3角まで力んで走っていた。キャリアもまだ7戦。次戦は未定だが、粗削りな部分が解消された“完成形”が果たしてどんな姿なのか、期待は膨らむばかりだ。
「まだ若い馬。こんな競馬が合うと決めつけるのは早いけど、控える形でも結果を出せたのは大きい。ペース次第でいろいろな競馬ができそう」。
キンシャサノキセキに
ジャガーメイル、
クォークスター…
タレントを多数そろえる堀厩舎のとどまることを知らない勢いにも乗り、GIレベルでの活躍が期待できそうだ。
提供:デイリースポーツ