最後の1冠は譲らない。{horse=2007100727:ヒルノダムール}が自慢の瞬発力を見せつけた。栗東CWで藤田を背にオーシャンフリート(2歳未勝利)と併せ馬。3馬身後方からスタートして馬体を合わせたのが4コーナー。内へと潜り込むと、鞍上の仕掛けに鋭く反応して2馬身の先着を果たした。6F84.1-38.2-11.6秒の時計に「先週の時点でできているので上がり重点。余力残しでラスト11秒台だからね。満点に近い」と昆師も満足げだ。
完ぺきリハに藤田も笑みを浮かべる。「先週やってガスが抜けたみたい。ちょうどいい。追い切りはいつも100点満点やから」。皐月賞は2着だったが、ダービーは9着に敗れた。GI勝ちを信じて、その能力にほれ込む主戦は悔しさを隠せない。「おとなしくて掛かる馬じゃない。不利なくすんなり走れば結果は出る」とタイトル奪取に力を込める。
すべてが青写真通りにきた。神戸新聞杯ではなく、札幌記念をステップレースに選んだのは、本番までに十分な間隔を取りたかったからだ。「体を戻す自信がなかったから、トライアルには使わなかった。これだけいい仕上がりだから正解だったといえる。今の出来で札幌記念を使えば、勝つ自信がある。今度は中身が違うよ」と指揮官はGI仕様に胸を張る。
父は01年にこの舞台を制したマンハッタンカフェ。父子制覇がかかる。「距離も持つし、目標にしていたレース。?3冠のどれかは獲れる?とジョッキーも言っていた馬だからね。最後の1冠は決めたい」。春からの成長力をバックボーンに、菊の大輪を咲かせる。
提供:デイリースポーツ