キャリアは4戦と浅くても、シシリアンブリーズの秘めた素質は測り知れない。半兄は01年にNHKマイルC、JCダートと東京でGIを2勝したクロフネ。「乗り味は最初から良かったし、風格もある」と中内田助手は語る。良血馬は当初から存在感を示していた。
スイートピーSは3番手から抜け出して、初めて33秒台の上がりを記録した。最後は勝ち馬に首差かわされたが「勝ちたかったけど、レースの流れだから仕方がない」と振り返る。2走前の忘れな草賞で控える競馬を覚えさせ、好位から運べるようになったことが、優先出走権の獲得につながった。実戦を重ねながら着実に成長している。
跳びが大きく、前走が示すように広い東京は歓迎と言える。「持ち味を生かすには、そこそこ前につけたい。無理に押っつけて行かなくてもいいので距離は心配していない」。逃げ馬が不在、有力馬も末脚勝負のタイプが目立つ。展開も向きそうだ。自慢の先行力としぶとさを発揮して、一気に樫の女王の座をいただく。
提供:デイリースポーツ