逃げ切りで日経賞を制したネコパンチ(左)=中山競馬場
「第60回日経賞・GII」(芝2500m)は24日、中山11Rに14頭で争われ、大逃げを打った12番人気ネコパンチがまんまと逃げ切り、初の重賞タイトルを獲得した。勝ちタイムは2分37秒4。3馬身半差の2着は、道中最後方から追い上げた2番人気のウインバリアシオン。単勝1.4倍の1番人気ルーラーシップは、さらに首差の3着に敗れた。
“猫だまし”で金星をもぎ取った。ネコパンチは最初のコーナーでケイアイドウソジンを抑えて主導権を奪うと、一時は後続に10馬身の差をつけた。最終コーナーで5馬身差。脚色は直線に入っても鈍らない。観客の悲鳴とともにゴールへ飛び込み、単勝1万6710円の大穴を開けた。
江田照は98年の日経賞でもテンジンショウグンで単勝3万5570円の波乱を演出した。「思い切って行ってくれという指示。馬場もラッキーだった。ターフビジョンで確認したけど、直線でも差があったし、手応えもあった」。10年中山記念(トーセンクラウン)以来の重賞Vに、そして穴男の面目躍如にハイテンション。猫ひろしのマネで「ニャー」と言って、インタビューを締めた。
星野師はヤマニンアラバスタで制した05年の府中牝馬S以来となる重賞3勝目となったが、全てが江田照の手綱。「こういう競馬は合っているが、勝つとは思わなかった。次戦については馬主さんと相談するが、あまり強気なことは…」。12番人気での勝利に笑顔を見せながらも戸惑うばかり。GI挑戦は白紙だが、春競馬を盛り上げるには個性派の参戦が必要だ。
提供:デイリースポーツ