安田記念に出走予定のサダムパテック(撮影:井内利彰)
22日には時折、雨もぱらつくようなお天気だったが、23日の追い切りに大きな影響はなかった。むしろ適度な湿りで走りやすいウッドチップを演出したのかも知れないと思うくらい、坂路、CWともに速い時計の追い切りが目立った。
【坂路/4F51.9秒】
23日。この日の一番時計はデザートオアシス(栗東・野中賢二厩舎)の4F50.3秒。これに続くように、4F51秒を切った馬は計9頭もおり、最近では時計の出やすい軽い馬場だったと判断してよいだろう。
そんな走りやすい馬場だったとはいえ、絶好の動きを見せたのが、安田記念への出走を予定しているサダムパテック(栗東・西園正都厩舎)。田中克典助手が跨っての単走追いだったが、ラスト2F地点を過ぎてからのラップは12.4〜12.2秒。全体も4F53.7秒でまとめており、前走京王杯SCの疲れなど全く感じさせない鋭い動きを見せた。
24日。前日同様に時計の出やすい馬場。特にラスト1Fで12.5秒を切る馬が続出しており、一旦スピードに乗ると、その勢いが止まらないのかも知れない。もちろん12.5秒以下は評価しなければいけないが、あまりに時計が掛かっているようなタイプは軽視すべきだろう。
なお、馬場差は22日、23日ともに、先週より速い『+0.1秒』で観測した。
【CW/5F66.5秒】
先週と同じ冒頭になってしまうが、23日、24日ともラスト1Fで簡単に12秒を切ることができる軽い馬場。今年は2歳新馬のレベルが高いのか、6F83秒を切るような新馬も少なくなく、このあたりは馬場が影響しているのか、競走能力の高さなのか判断に悩むところ。
もちろん古馬でも道中そこそこに飛ばしながら、最後まで止まらなかった馬は何頭もいたが、なかでも目立ったのはダノンフィーバー(栗東・友道康夫厩舎)。川須栄彦騎手が手綱をとっての追い切りだったが、単走で気分よく飛ばして、6F82.7〜1F11.8秒。この中間はノーザンFしがらきで鋭気を養っていたが、今の連勝を3連勝まで伸ばすことも十分可能な雰囲気を感じさせる追い切りだった。
なお、馬場差は先週より更に回復した『-0.6秒』で23日、24日とも観測した。
【DP/5F64.5秒】
ウッドチップ馬場が時計の出やすい軽い馬場になっていることで、ポリトラック馬場を利用する馬は減少。ただ時計の出方はいつもと変わらず速い印象。前走2着時に当欄で紹介したクレセントシチー(栗東・佐々木晶三厩舎)も5F65.7〜1F11.7秒と相変わらずスピードある動きを見せていた。
馬場差は先週より少し時計の速い『-0.5秒』で観測している。(取材:井内利彰)
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。