坂路で機敏な動きを見せた関屋記念に出走予定のドナウブルー(撮影:井内利彰)
29日は雷を伴う豪雨もあった栗東だが、今週に入ってからは、それと分かる雨は降っていない。よってウッドチップもかなり乾燥しており、馬場が重たくて時計が掛かっているということはない。全体的に時計が遅く感じられることがあるかも知れないが、それは暑いこの時期を考慮して、手控えて仕上げていると判断してよいだろう。
【坂路/4F51.9秒】
1日の一番時計はツリーズオブホープ(栗東・坪憲章厩舎)の4F50.3秒。全体的な時計を見渡せば、4F51秒台が少なく、時計の掛かる馬場とも判断できる。しかし一番時計を含めて51秒以下が4頭いる状況、そして天候を考慮すれば、先週と変わりない馬場だと見てよいだろう。
今週の坂路で追い切られた組での注目は、来週の関屋記念に出走予定のドナウブルー(栗東・石坂正厩舎)。安田記念惨敗後は放牧に出されていたが、7月6日にノーザンFしがらきから帰厩しての様子を見ていると鋭気に満ちている。画像は先週24日の坂路での普通キャンターだが、とにかく動きが素軽い。1日の追い切りまであまり速い時計を出していなかったが、いざ、やってみると4F51.7〜3F36.8〜2F23.8〜1F12.0秒と機敏な動きで抜群の内容。夏場のレース経験はないが、これだけの動きを見せられると、むしろ適性が高いと判断したい。
なお、馬場差は1日、2日ともに先週と同じ『0.0秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
目立った速い時計は出ていないが、坂路同様に、馬場状態に関しては大きな変化はない。1日はそれなりの追い切り頭数がいるものの、その影響もあって、2日のCWは閑散としている。先週の小倉競馬での滞在組などもいる影響もあると思うので、小倉開催が終わる、9月上旬まではこの状況が続きそうだ。
小倉記念出走組は栗東で追い切りを済ませての移動になるようだが、2日にはゲシュタルト(栗東・長浜博之厩舎)が単走で追い切り。レースでも騎乗が予定されている中井裕二騎手が跨っていたが、前半はペースが上がりすぎないように押さえての走り。直線に向いて追い出されたが、その際には舌を越す仕草を見せた。時計は4F53.3〜3F38.5〜1F11.7秒と決して悪くないが、舌出しは気になる。
なお、馬場差は1日、2日とも先週と同じ『-1.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
先週と比較しても、追い切り頭数が極端に減った印象がある。その分、速い時計を出す馬もかなり少ない。
1日に追い切られたゴールデングローブ(栗東・藤岡健一厩舎)は、先行していたサンレガーロに内から並びかけて、最後は圧倒する動き。5F65.8〜4F49.9〜3F36.5〜1F11.5秒という時計も評価できる。
なお馬場差は25日、26日とも、先週と同じ『-0.5秒』とした。(取材:井内利彰)
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。