先週の日曜は終日の降雨に見舞われた中山競馬場。超高速ターフだった開幕当初との比較で、多少なりとも時計を要する馬場で秋のGI開幕戦は行われる可能性が大きい。この舞台設定を喜ぶのがサンカルロだ。
「差し一辺倒の脚質だけに、高速馬場よりは時計がかかった方がいいからね」と大久保洋師はうなずく。高松宮記念(11、12年)での銀メダルが2回に、スプリンターズS(10年)の銅メダルが1回。1分7秒7止まりの持ち時計からもスピードの絶対値が大きく問われる馬場状態では分が悪い一方で、総合力なら決して引けは取らない。今年の高松宮記念は前残りの展開のなか、勝者カレンチャンを0秒8もしのぐ上がり3Fを駆使して首差の2着。「展開の助けがあれば」と師は期待を寄せる。悲願のGI初制覇へ、直線一気の末脚に全てを託す。
マジンプロスパーは前走でまさかの11着に敗れた。宝来助手は「勝ちに行ったから仕方がない。それでも反動がなかったのが何より。前走後はビッシリと追ったし、体がすっきりとしてきた。上積みは間違いなくある」と良化を口にする。中山は未経験だが「坂は苦にしないし、道悪で渋ってほしい。馬力があるからウチの馬は競馬がしやすい」と雨を望んでいた。
提供:デイリースポーツ