今週、京都競馬場で行われる秋華賞(GI・芝2000m)に出走する、
アイムユアーズ(牝3・手塚貴久厩舎)、
ミッドサマーフェア(牝3・小島太厩舎)、
アイスフォーリス(牝3・相沢郁厩舎)、
ダイワズーム(牝3・鹿戸雄一厩舎)、
チェリーメドゥーサ(牝3・小西一男厩舎)について、陣営のコメント。(取材:佐々木祥恵)
アイムユアーズについて、手塚貴久調教師。
「先週、ウッドチップコースで併せ馬をビッシリやっていますので、当初から坂路で追い切る予定でした。池添騎手には、軽くならない程度にという指示でしたが、49秒台の時計が出ましたし、それだけ具合がいいのだと思います。札幌のクイーンS(GIII・芝1800m)の時は、少し余裕を持たせての調整で、体にも余裕がありましたが、古馬と対戦して横綱相撲での完勝でしたからね。世代のトップにいると言えると思います。
クイーンSの後は、放牧に出ました。放牧先からは、体が大きくなって戻ってきましたし、帰厩後からここまで、寸分の狂いもない調整ができました。レース間隔が空いた方が、この馬には合っていますし、前走より、さらにたくましくなって、
パワーアップしていますね。この馬の長所は、器用さがあって、折り合いもつきますし、ジョッキーの指示にも従順です。
ジェンティルドンナは強いですし、これまでの対戦では完敗に近いですから…。でも池添騎手は大きなレースに強いですし、最強馬との戦い方もわかっていると思っていますので、あとは騎手にお任せしたいと思います。それに競馬は何があるかわかりませんからね。京都2000mのコース形態を味方につけて、あわよくば逆転できればと思います」
追い切りに騎乗した池添謙一騎手。
「先生からは、全体時計が51秒くらいという指示でした。それよりも速くなりましたが、あまり無理をしないで49秒4が出ましたし、先週よりも動きにも素軽さがあって、さらに状態は良くなっています。乗り手の意のままに動いてくれて、乗りやすいところが、この馬の長所ですね。クイーンSで乗せてもらって、この馬の反応の仕方や、脚の使い方がわかったのも良かったです。京都の内回り2000mは乗り難しいと言われるコースですが、この馬の器用な部分を生かして、しっかりと乗りたいと思います。春は、桜花賞、オークスと惜しいレースが続きましたが、タイトルを獲れるように頑張ります」
ミッドサマーフェアについて、小島太厩舎の吉永護調教助手。
「今日は、蛯名騎手に乗ってもらって、馬の気持ちに任せて、感触を確かめてもらう感じの追い切りでした。蛯名さんには、良い状態だと言ってもらえましたし、ここまで順調に来ていると思います。クイーンS(GIII・芝1800m・3着)は、体重こそオークスの時に比べて10キロ減ではありましたが、競馬の内容は良かったと思いますし、改めてこの馬の能力の高さを感じました。その後は、一旦、放牧に出て、1か月ほど前に帰厩しました。相手も強いですが、逆転があると信じ、この馬の力を出し切れるよう、スタッフ一丸となって、馬の状態を上げていけるように頑張ってきました。セールスポイントの終いの切れ味を、レースで生かせれば、いい結果が出るのではと思っています」
追い切りに騎乗した蛯名正義騎手。
「先週までで、かなり良い動きをしていると聞きましたので、今日は7、8分で、気持ち余裕を残してという追い切りでした。前走のクイーンSは、まだ良化途上でしたし、レース内容もそのような感じでした。今回は、ぶっつけでのGI挑戦となりますので、攻め馬の質も量も、十分にやってきています。
ジェンティルドンナは強いですが、胸を借りる立場で、この馬の切れ味を生かして、良い競馬をしたいですね。京都の内回りの2000mのコース形態も考慮しながらのレースにはなりますが、枠順にもよりますし、ゲートを出てみないとわかりませんから、この馬を信じて乗りたいと思います」
アイスフォーリスについて、相沢郁調教師。
「先週、併せ馬でビッシリやっていますし、今週は輸送もありますから、軽く流す程度の追い切りでした。紫苑S(3歳OP・芝2000m・5着)を1度使って、馬も良くなっていますし、オークスの時と同じくらいの状態で出走させられそうです。前走は開幕週の速い馬場でしたし、外枠でしたから、仕方のない面もありました。高速馬場での競馬でしたから、その後の反動が心配でしたが、レース後も順調に来ていて、仕上がりも良いです。ステイゴールド産駒ですが、落ち着いていますし、輸送も苦にするタイプではありません。距離は長ければ長い方が良い馬ですが、京都の2000mも大丈夫だと思います。
ジェンティルドンナを除けば、どんぐりの背比べのような感じですし、競馬は何があるかわかりませんからね。オークスくらい走ってくれれば、秋華賞でも良い競馬ができると確信しています」
追い切りに騎乗した松岡正海騎手。
「デビュー時から、いい意味で変わらずにここまで来ています。レースに行ってのセンスの良さと、立ち回りのうまさが、この馬の長所です。京都の2000mは、器用に立ち回れるこの馬にとって、マイナスな点は少ないと思います。前走(紫苑S)は、高速馬場でしたし、休み明けで外枠ということもあって、あまり無理もできませんでしたが、それでも5着に来るあたり、力があるなと思いました。前走、無理しなかった分、反動もなくて状態も良いです。
ジェンティルドンナはものすごく強いですから、あの馬よりも後ろから行っても勝てないと思いますので、前の位置で競馬をするつもりです。今のところ、逃げても良いと思っていますし、強気で悔いのないレースをして、一泡吹かせられればと思います」
ダイワズームについて、鹿戸雄一調教師。
「先週は、ウッドチップコースでノリさん(横山典騎手)が乗って追い切り、日曜日は坂路でやっています。今日の坂路での最終追い切りも、予定通りの時計でした。前走は速い馬場でしたし、外枠でしたからね。もう少し内枠だったら、結果も違っていたと思います。叩き2戦目で、順調に良くなってきています。飼葉も食べていますし、美浦と山元トレセンを行ったり来たりしていますので、輸送も心配していません。今回は、さすがにメンバーが強いですが、オークスの時も、いい脚を使ってくれましたからね。以前、中山で勝った時(デイジー賞・3歳500万・芝1800m)にうまく競馬をしているように、器用さもありますし、脚を溜めて競馬ができればと思っています」
チェリーメドゥーサについて、小西一男調教師。
「8月に札幌(札幌スポニチ賞・3歳以上1000万下・芝1500m・11着)を使った時は、休み明けということもあって、イレ込んでいましたが、美浦に戻ってきてからは、ものすごく落ち着いています。美浦の暑さにも対応できましたしね。前走勝った時(白井特別・3歳以上1000万下・芝1800m)は、好位で競馬をする予定でしたが、出負けして後ろからの競馬になりました。道中、ジョッキーの判断で早めにスパートしたのですが、長く良い脚を使って強い勝ち方をしてくれました。レース後も落ち着いていますし、疲れもなかったので、ここまで調整はしやすかったですね。ただ前走は、札幌時よりも体重が10キロ減っていました。今回は輸送後、京都で1泊しますから、中間は体を増やすように調整しています。先週、今週と普通にやって、体も戻ってきていますし、良い状態で臨めそうです。高速馬場は合いますし、前走より1ハロン距離が延びても大丈夫です。展開は何とも言えませんが、状態の良さで頑張ってほしいですね」