最内を突いたエイシンフラッシュが鮮やかに抜けだしダービー以来のG1制覇。ゴール後雄叫びを上げる鞍上のM.デムーロ騎手。(撮影:下野雄規)
28日、東京競馬場で、05年以来7年ぶりとなる天皇、皇后両陛下ご観戦のもと天皇賞・秋(3歳以上・GI・芝2000m)が行われた。
レースは、大方の予想通りにシルポートが大逃げを打つ中、道中は中団やや後方のインコースで待機していたM.デムーロ騎手騎乗の5番人気エイシンフラッシュが直線向いてポッカリと空いた内ラチ沿いを勢いよく伸びてくると、残り200mを切って逃げるシルポートや前を追うカレンブラックヒルらを一気に捕らえて先頭に立ち、ゴール前外から追ってきた1番人気の3歳馬フェノーメノに1/2馬身差をつけ優勝した。勝ちタイムは1分57秒3(良)。
さらに1.1/4馬身差の3着に、後方待機からゴール前大外から追い込んだ2番人気ルーラーシップが入った。以下、4着は4番人気ダークシャドウ、5連勝中の3番人気カレンブラックヒルは最後に止まって5着に敗れた。
勝ったエイシンフラッシュは、父King's Best、母ムーンレディ、その父Platiniという血統。
10年の日本ダービーを制して以降は、この日まで実に12連敗。その間、11年天皇賞・春2着、宝塚記念3着、有馬記念2着と惜しい競馬もあったが、今年に入って6着・6着、前走毎日王冠も2番人気で9着に終わっていた。通算20戦目での新コンビM.デムーロを背に快走劇を披露。前走以上に強豪古馬・3歳馬が集結した秋の中距離王者決定戦で輝きを取り戻しての重賞3勝目。通算では2年4ヶ月28日ぶり5勝目となった。
レース後、正面スタンド前に戻ってきたエイシンフラッシュは、天皇、皇后両陛下が見守られる中、鞍上デムーロ騎手が一度馬から降り、ヘルメットを脱ぎ、片膝をついて両陛下へ一礼。その様子を両陛下は、暖かい笑顔と拍手で迎えられた。
【勝ち馬プロフィール】
◆エイシンフラッシュ(牡5)
騎手:M.デムーロ
厩舎:栗東・藤原英昭
父:King's Best
母:ムーンレディ
母父:Platini
馬主:平井豊光
生産者:社台ファーム
通算成績:20戦5勝(重賞3勝)
主な勝ち鞍:10年日本ダービー(GI)