笠松競馬場の存続を検討している岐阜県の第3者機関「笠松競馬経営問題検討委員会」」(委員長・金城俊夫岐阜大名誉教授)は、13日に開かれた委員会で「利益確保の見通しがなく自立的な経営は困難で、速やかに廃止すべきだ」とする中間報告をまとめた。同委員会は年内に最終報告を県に報告するが、県地方競馬対策室は、委員会の報告を尊重する方向であり、存続は困難と見られている。
笠松競馬場の馬券売り上げは、前年度の同期比で約25%減、入場者数も10%減と歯止めが利かない状況にある。バブル崩壊後の93年度以降は単年度赤字が続いており、基金を取り崩す形で運営されてきたが、一時58億円あった基金残高も昨年度末には5億5500万円まで減少し、本年度で底をつく可能性もあり、自立的経営は非常に困難な状況といえる。
同競馬場は、88、90年有馬記念(G1)など、G1通算4勝した「芦毛の怪物」ことオグリキャップ(牡19、父ダンシングキャップ)や、現在98勝で全国リーディング3位の安藤勝己騎手(44、栗東・フリー)らをこれまで輩出してきた。現在も、オグリキャップ記念(交流G2)など重賞4勝の現7勝ミツアキタービン(牡4、笠松・田口輝彦厩舎)や、安藤勝己騎手の兄で、03年CBC賞(G2)と04年平安S(G3)を勝っている安藤光彰騎手(45)、JRAで通算54勝している川原正一騎手(45)らが所属している。また、同競馬場には、先日「名馬、名手の里 ドリームスタジアム」という愛称が公募により決定したばかりだった。