雨が降らなかった上、日の照る時間帯も多かった今週の栗東。29日の時点でウッドチップ馬場が乾いている様子は見られていたが、そのイメージ通り、30日と31日の追い切りでは攻め駆けする馬はしっかりと速い時計をマークしていた。

　このまま雨が降らずにいけば、ごく標準的な馬場で安定すると思われたが、明日1日からは再び雨の予報。週が明けても雨の予報があり、またそうなると時計の掛かる馬場に逆戻りするかも知れないが、ひとまず今週は時計をアテにして調教予想できる、そんな週となりそう。

【坂路/4F51.9秒】
　30日の一番時計は4F51.1秒をマークしたエーシンポルックス(栗東・西園正都厩舎)。そしてこの日は51.9秒以下が12頭と、先週とは一変して、ある程度時計の出る馬場になっている。また31日は4F50.9秒が2頭。両日とも、ここ最近にはない、ごく標準的な馬場に戻ったいう感じ。

　標準の馬場になったということで、動きの良さが目立ったり、自己ベストを更新する時計をマークした馬などいたが、そんな中でもやっぱり目立つ動きを見せたのが、2012年香港スプリントを制したロードカナロア(栗東・安田隆行厩舎)だった。

　予定されている阪急杯(2月24日・阪神芝1400m)はまだ先ということで、今朝31日の追い切りもあまり速い時計を出す予定はなかったようだが、それでも4F52.0〜3F37.9〜2F24.6〜1F12.4秒と数字は速い。ただ見た目にはそれほどの時計が出ている感じはなく、この馬としては普通に走ってきたら、この時計になったという感じがする。

　追い切り後の馬体を見ても、やはりまだまだ絶好調時の迫力はなかったので、これからどんどん良くなっていくのではないだろうか。馬を見た瞬間に唸るような迫力を感じる時がきっとG1レースの直前ということになるだろう。

　冒頭から再三記しているように、今週のウッドチップ馬場は標準。よって今週の馬場差は30日、31日とも『±0.0秒』の馬場差で観測。ちなみにこの馬場差は昨年の11月7日、8日以来の数字であり、それまではずっと時計の掛かる馬場状態だった。

【CW/5F66.5秒】
　坂路での馬場差が±0.0秒ということで、Cコースのウッドチップも当然乾いた状態。そんな中でも時計の掛かる馬(6F85秒前後)もいたが、このくらいの時計でもたついた動きを見せている馬は、少し太目が残っているなど、状態面でまだ本調子ではないと判断した方がよいだろう。

　逆に6F82秒を切るような時計で動きながら、最後まで素軽い動きを見せた馬は明らかに調子が良い証拠。31日に追い切った組では6F81.9秒で動いたタイタン(栗東・五十嵐忠男厩舎)。今週の早春Sでの出走を予定しているが、前走休養明け時よりも重心の低いフットワークでしっかりと走っており、追い切りの動きを見る限りは明らかに前走以上。

　同じく31日の追い切り組から目立ったのは、川須栄彦騎手との呼吸がぴったりで折り合い抜群だったジェラルド(栗東・友道康夫厩舎)、30日の追い切り組では、幸英明騎手が跨って、動きが抜群だったナンヨーユナ(栗東・松田国英厩舎)などを馬名を挙げておきたい。

　今週はウッドチップ馬場が乾いている週になるが、Cコースは先週24日の時点から乾いていたので、24日と同じ『-1.0秒』で30日、31日ともに観測している。

【DP/5F64.5秒】
　追い切り頭数が100頭近かった先週に比べて、今週は頭数が減り、普段のDPコースに戻ったという感じ。追い切り頭数が多かろうが少なかろうが、馬場状態に変化がなく、一定の時計が出るというのが、ポリトラックの長所だが、特に今週は馬場が適度に乾いて、走りやすかった印象を受ける。

　4F47.9秒と抜群に速い時計を馬なりでマークしたのが、キンショーオトヒメ(栗東・中村均厩舎)。もともとDPでは速い時計の出るタイプだが、それにしても今週の時計は速い。なにより最後まで楽に走ってこの数字だから、今週の春日特別はちょっと馬券を買ってみたい面白さがある。

　なお今週のDPはこれまでとほぼ変わりなく、30日、31日ともに『-0.5秒』で観測している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真：井内利彰)