素質馬パッションダンス、小倉大賞典からGIの舞台へ(撮影:井内利彰)
火曜日というのは、月曜日が全休のため、いきなり追い切りするのではなく、今朝は軽く調教して、水曜日や木曜日の追い切りに備えるというのが通常のパターン。そのため、坂路馬場での調教を見ていても、速い時計を出す馬はほとんどいないのだが、追い切りではなく、普通に乗ってきて、15-15を切るタイムをマークするのが、
パッションダンス(栗東・友道康夫厩舎)。
それは今朝だけに限ったことではないが「持っているモノが違うんだろうね」とは友道康夫調教師。確かにキャンターを乗っていて、引っ掛かり気味になる馬は『時計になってしまった』というケースがあるが、
パッションダンスの場合は『普通に乗ったら時計になった』という感じ。
今週の小倉大賞典に出走する予定だが「重賞(京都新聞杯)を使ったのは、もう2年も前の話。しかも3歳限定だから、今回のように歴戦の古馬で厳しい流れになりそうなレースでどんな競馬をしてくれるか…」と不安点を口にする師だが「でもG1でも好勝負できる馬だと思うから」と期待のほども隠さない。
半姉
アドマイヤキッス(父サンデーサイレンス)は2008年に京都牝馬を快勝後、ヴィクトリアマイルへ向けて調整される最中に骨折してしまい、最終的には予後不良、安楽死処分という結果で競走馬生活に幕を閉じた。G1に手が届きそうで届かなかった姉の無念を晴らすことができる、そんな素質を持っている馬だけに、小倉大賞典で弾みをつけて、G1の舞台に出走してもらいたい。(取材・写真:井内利彰)