坂路コースで追い切ったマスカレードボール(右)(カメラ・荒牧 徹)
◆第45回
ジャパンC・G1(11月30日、東京競馬場・芝2400メートル)追い切り=11月26日、美浦トレセン
プラスとマイナス、両面が見えた
マスカレードボール(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎、父
ドゥラメンテ)の最終追い切りだった。
まずは仕上がり。事前に微調整程度と聞いていた通り最後まで馬なりのままフィニッシュしたが、美浦・坂路での4ハロン53秒0は、3頭併せで一杯に追われた天皇賞・秋(53秒2)を上回った。手塚久調教師も「状態面については特に問題なくきていますし、肉体面の上積みはあると思っています」と納得の表情だった。
前回は5か月ぶりの秋初戦。急仕上げとまでは言わないが、1週前追い切りだけではなく、レース7日前の日曜(10月26日)にも強めの調教を課したこともあり、手塚久厩舎としては珍しい木曜日の最終追い切りだった。今回は中3週でも予定通りで、「先週との兼ね合いで今日はそれほど強くなくていいと思っていたけど、時計はまずまず出ていたと思います」と無理せずマークしたタイムに出来の良さを感じていた。
叩き2走目で状態が上がっていることは確認できた一方、この日は調教以外で気持ちが高ぶるところがあった。「時折、まだ納得しきれていない仕草をみせることがある」とトレーナーが指摘するメンタル面は、まだ成長途上の3歳馬だけに仕方ない面もあるが、レースは待ってくれない。
「中3週ということで少しピリついているところはありますが、馬が戦闘モードに入っていると感じ取れるので悪い方にはとっていないです。今回は胸を借りる立場ですが、いい精神状態でゲートインできれば頑張ってくれると思います」と手塚久師は心境を口にした。現役トップクラスの能力は天皇賞・秋で証明済み。G1連勝のポイントは、平常心で臨めるかどうかだ。(西山 智昭)