中山金杯を制したタッチミーノット、中山記念で重賞連勝なるか(撮影:下野雄規)
今週末、中央競馬の重賞レースは、24日(日)に中山で伝統の一戦・中山記念、阪神では高松宮記念へ向けての注目ステップレース・阪急杯、23日(土)に阪神で3歳のマイル重賞・アーリントンCが行われる。各レースに出走を予定している、主な有力馬は以下の通り。
■2/24(日) 中山記念(4歳上・GII・中山芝1800m)
タッチミーノット(牡7、美浦・柴崎勇厩舎)は、新潟記念を2着としたあと、秋のGIシリーズを回避して中山金杯に照準を合わせる作戦が大成功。前走は見事に抜け出して、今年の初笑いを決めた。昨年の勝ち馬フェデラリストと同じ、金杯Vからの連勝を目指す。
ダノンバラード(牡5、栗東・池江泰寿厩舎)は、前走AJCCでは直線で内へと斜行してしまい、擦った揉んだのひと騒動の末に2年ぶりの重賞制覇。4コーナーまでの手応えは抜群だったように、コース相性はかなり高い様子。今回は迷惑をかけずに好走できるか。
ナカヤマナイト(牡5、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)は、有馬記念7着のあとAJCCに向けて調整が進められていたが、右前脚に腫れが出て出走を断念。再調整を経て、中山の重賞レースを狙い打ってきただけに、改めて目が離せない存在となる。
ダイワファルコン(牡6、美浦・上原博之厩舎)は、福島記念を制したあと、有馬記念ではさすがに荷が重かったか10着。それでも、過去に中山芝1800mで3勝を挙げるなどこちらもコース巧者ということで、GIIのメンバーならば再注目が必要な一頭。
リアルインパクト(牡5、美浦・堀宣行厩舎)は、2012年以降、6走使って一度も連対できていない。唯一馬券圏内へ来たのが、3着となったこのレース。そのような意味でも、今回こそは再浮上なるか。
その他、目下500万、1000万、準OP、OP特別と芝中距離で4連勝と勢いに乗るジャイアンツコーズウェイ産駒のマル外・アンコイルド(牡4、栗東・矢作芳人厩舎)や、中距離戦で大逃げ濃厚、昨年も作戦がまんまと嵌って2着に残したシルポート(牡8、栗東・西園正都厩舎)など、コース巧者を中心に激戦必至の20頭が特別登録。発走は15時45分。
■2/24(日) 阪急杯(4歳上・GII・阪神芝1400m)
ロードカナロア(牡5、栗東・安田隆行厩舎)は、今年の始動戦。昨秋はスプリンターズSでGI初勝利を飾ると、続く香港スプリントも地元の強豪馬を相手に「圧勝」といえる差し切り勝ち。世界レベルのスプリンターへと成長した。ここも当然主役を担うが、未知な課題があるとすれば、3歳1月以来2年ぶりの1400mがどう出るかという点だけか。
サンカルロ(牡7、美浦・大久保洋吉厩舎)は、関東馬ながら阪神競馬場での重賞勝ちは3回、特に1400mでは2011年・2012年阪神C連覇、2011年阪急杯Vなど滅法強さを見せる。この馬にとっては高松宮記念へのステップだが、大得意とするこのコースを走る以上は当然ながら目が離せない存在。
エピセアローム(牝4、栗東・石坂正厩舎)は、牝馬3冠路線から3歳夏に短距離路線に転向すると、当地・セントウルSでは6番人気ながらロードカナロア、カレンチャンら強豪を退けて優勝。続くスプリンターズSでも、4着となった。休み明けは課題になるが、今年も短距離路線をかき回したい。
マジンプロスパー(牡5、栗東・中尾秀正厩舎)は、前走・シルククロードSで復調示す僅差の4着。昨年制したこの舞台で、さらなる上昇を狙う。
レオアクティブ(牡4、美浦・杉浦宏昭厩舎)は、昨秋の京成杯AHを1分30秒7の超速レコードで制して以降の成績が奮わなかった。阪神芝1400mは、3歳春のマーガレットSで追込んで2着としており、コース替わりでの再浮上を狙う。
その他、京都牝馬Sでは0.5秒差の6着と健闘したアプリコットフィズ(牝6、美浦・小島太厩舎)や、前走・東京新聞杯で5着と復調ムードにあるブライトライン(牝4、栗東・鮫島一歩厩舎)など、高松宮記念を見据える上でも見逃せない一戦。発走は、中山記念の10分前・15時35分。
■2/23(土) アーリントンC(3歳・GIII・阪神芝1600m)
コパノリチャード(牡3、栗東・宮徹厩舎)は、暮れの同コースの千両賞(500万下)で2着としたあと、年明けの白梅賞(500万・京都芝1600m)では後続に5馬身差をつけて逃げ切った。ここは持ち前の先行力を武器に、重賞でも勝ち負け争いを目論む。
カオスモス(牡3、栗東・森秀行厩舎)は、千両賞を快勝し、前走・シンザン記念では2番人気に推されるも、外枠にも泣いて4着。ただ、3着争いを競ったタマモベストプレイは次走・きさらぎ賞を快勝しており、相手も悪かったか。阪神マイルは、巻き返しを期するには十分の舞台となる。
レッドアリオン(牡3、栗東・橋口弘次郎厩舎)は、前走・シンザン記念で中団待機から0.4秒差まで追い上げての4着でも、内が非常に有利な馬場状態だっただけに、むしろ好内容の部類。未勝利戦を快勝した阪神マイルの舞台で、賞金加算を狙う。
ラブリーデイ(牡3、栗東・池江泰寿厩舎)は、昨秋の京王杯2歳Sで2着、朝日杯FSでは7着(4番人気)。3走前の野路菊Sを完勝したことからも、スムースに運べるかが好走の鍵を握っている。ここは頭数が落ち着きそうな、外回りコースだけに競馬はしやすくなりそうだ。
テイエムイナズマ(牡3、栗東・福島信晴厩舎)は、昨秋のデイリー杯2歳Sで、6番人気ながら逃げ切りV。その後の2走は、気性難も災いして結果が残せていない。間隔を開けて、未勝利勝ちの阪神外回りコースで再浮上できるか。
その他、前走・500万下(京都・芝1400m)では一気の追込みを見せたタガノエンブレム(牡3、栗東・松田博資厩舎)や、芝1600mではセンスある勝ちぶりを見せたメイショウヤマホコ(牡3、栗東・藤沢則雄厩舎)など、上位拮抗の15頭が特別登録。発走は土曜の15時35分。