引退レースを飾ったミラクルレジェンド(左)=川崎競馬場
最後も先頭で駆け抜けた。「第59回エンプレス杯・交流GII」(ダート2100m)は27日、川崎11Rに11頭で争われ、圧倒的な人気を集めたミラクルレジェンド(牝6歳、栗東・藤原英)が完勝。タイムは2分15秒9。なお、1馬身半差の2着に3番人気のエミーズパラダイス、さらに5馬身差の3着に2番人気ダートムーアが入った。
ラストランとなるのが惜しいほどの強さだ。序盤は後方を追走し、2周目の向正面で前との差を一気に詰める。3番手の外めで4角を迎えると、直線で逃げ込みを図るエミーズパラダイスを鞍上・岩田の左ステッキ連打でとらえた。10年クイーン賞・交流GIII(船橋)を皮切りに、数々のタイトルをつかんできた南関東で鮮やかな有終Vを決めた。レース後、担当厩務員に引かれてスタンドのファンの前へ。岩田がゴーグルを投げ入れると歓声が上がった。「これが最後に味わう背中かと、かみしめた。小柄だけど負けん気が強い。いい子を出してほしい。お疲れさま」と、最後のレースを走り終えたパートナーをねぎらった。
藤原英師は「夢をかなえ、感激を与えてくれた馬」とミラクルレジェンドをたたえた。初年度は既にエンパイアメーカーが交配相手と決まっている。「夢をもう一つ。お母さんとして世界と戦える馬を生んでほしい」と、新たな“伝説”の始まりに期待を寄せていた。
提供:デイリースポーツ