高松宮記念1週前追い切りを行ったロードカナロア(撮影:井内利彰)
2回目のハロー明けの坂路馬場に真っ先に登場したマジンプロスパー(栗東・中尾秀正厩舎)。テンから軽快なスピードで駆け上がっていき、ラスト2Fはしっかり追われて、加速する形でフィニッシュ。4F52.8〜3F38.3〜2F24.5〜1F12.3秒はさすがに速い時計だった。
しかし、この時計・動き以上に素晴らしい追い切りだったのが、ロードカナロア(栗東・安田隆行厩舎)。同じく、2回目のハロー明けの坂路馬場を単走で駆け上がってきたのだが、前半から落ち着き払う様子で駆け上がり、カーブではしっかり手前を替えて、勢いは衰えないまま。見た目には、4F55秒くらいで、ラストも12秒後半といった動きに見えたが、実際には4F53.5〜3F38.9〜2F24.8〜1F12.2秒という数字。
安田隆行調教師は「最後は追えば11秒台だったと乗り手も話していました」というように、終始馬なりでこの時計。とにかく普段から落ち着いた様子にも関わらず、追い切ると速い時計が出せるという、このオンオフの切り替えが王者の風格を感じさせてくれる。
1回目のハロー明けの坂路馬場で追い切ったのは、ドリームバレンチノ(栗東・加用正厩舎)。こちらは松山弘平騎手が跨って、ジークジオンを追走する併せ馬。余力がなくなった相手を楽に交わすと、最後まで手応え十分に先着。4F51.9〜3F38.3〜2F25.4〜1F12.9秒と、全体も終いも速い時計をマークしてきた。(取材・写真:井内利彰)