有馬記念以来の実戦で力強く抜け出したゴールドシップ(左)=阪神競馬場
「第61回阪神大賞典・GII」(芝3000m)は17日、阪神11Rに9頭で争われ、昨年の最優秀3歳牡馬で断然の1番人気を集めたゴールドシップ(栗東・須貝)が今年初戦を完勝。好発進を決めた。道中はいつも通り後方でマイペースの追走ながら、2周目向正面から徐々に加速。得意のロングスタートで直線の入り口では早々に先頭へ立つ横綱相撲で、3番人気デスペラード(2着)に2馬身差をつけてゴール。天皇賞・春(4月28日、京都、芝3200m)に向けて、上々の船出となった。勝ちタイムは3分5秒0。さらに1馬身差の3着には5番人気のフォゲッタブルが入った。
「流れを見ながら上がって行きたかった」と振り返る内田博は、縦長となった展開を見極め、徐々にアクセルを踏んで進出を開始した。2周目3角で前を射程圏内に入れると、4角では左ステッキを一発放ってゴーサイン。一度、エンジンが点火してしまえば、GI・3勝馬の勢いに太刀打ちできる者はいなかった。
「久々でしたからね。きょうはゴールまでしっかりと追えたのが良かった。最後は馬自身が力を緩めるところがあったのでステッキを入れたけど、これが次につながると思う」。程よい緊張感を注入し、GIへ向けて人馬の信頼感をさらに深めた。
須貝師は「内田君が馬のことをよく分かっているので」と圧倒的1番人気の重責を果たして安どの表情を浮かべた。
目指すは真の王者。これからは古馬の王道を突き進む。主戦は「この馬が年度代表馬になれるように願っているし、それだけの器だと思っている」と高らかに頂点獲りを宣言。先に見据える宝塚記念(6月23日・阪神、芝2200m)では、まだ肌を合わせていないジェンティルドンナ、オルフェーヴルとの対戦が実現する可能性もある。決戦の時を前に、盾の称号を手にして、堂々と“2強”を迎え撃つ。
提供:デイリースポーツ