「第15回中山グランドジャンプ・J・GI」(芝4250m)は13日、中山11Rに16頭で争われ、8番人気のブラックステアマウンテン(愛国・マリンズ)が、後方ままに終わった前哨戦のペガサスJS(9着)とは一変した走りを見せてビッグタイトルを獲得。02年セントスティーヴン、05-07年に3連覇を飾ったカラジに続き、史上3頭目の外国馬によるJ・GI制覇を成し遂げた。本場仕込みの安定した飛越で、中団から徐々に進出。勝負どころで前を射程圏に入れると、鞍上・ウォルシュのこん身の右ムチに応えて堂々と抜け出し、先頭でゴールに飛び込んだ。勝ちタイムは4分50秒5。半馬身差の2着はゴール前で猛追した2番人気のリキアイクロフネ。さらに1馬身1/4差の3着はレースの主導権を握った3番人気のシゲルジュウヤクが入った。なお、1番人気のバアゼルリバーは精彩を欠き、6着に敗れた。　

　大障害コースに変わって持ち味が生きた。「距離延長で別馬のような競馬をしてくれた。大きな障害も、アイルランドでは普通の高さ。それも有利に働いた」と、これが自身のJRA初勝利ともなったウォルシュはうなずく。母国では8回も障害リーディングに輝いている名手。前走は障害を斜飛するなど随所に不慣れな部分を見せたが、本番ではきっちり修正した。

　8番人気と評価を落としていたが、この日の走りこそが真の実力。「スタートが良かったし、ジャンプも思い通りだった」と、会心のレース運びに満面の笑みを浮かべる。「日本のビッグレースを勝てて非常にうれしい。機会があればまた、ぜひ来たい」。来年も“黒船襲来”があるかもしれない。

提供：デイリースポーツ